2017市民生活安全フェスティバルに参加しました

例年通り、「薬と健康の週間」事業を兼ねて、「街頭 薬の相談所」を開設しました。

市民の皆様とふれあう機会を与えていただきありがとうございます。今後とも地域に貢献できるように活動していきます!

 

院外処方せん応需薬局 平成29年6月勉強会

6月15日(木曜日)日立薬剤師会の勉強会が開催されました。

今回は日立総合病院の副院長、消化器内科の鴨志田敏郎先生にお越しいただき、「便秘に関するお話〜過敏性腸症候群と便秘〜」と題してお話いただきました。

便秘症について、患者の増加、適正な診断の必要性、薬剤の適切な使用について、わかりやすく説明していただきました。

まず、便秘あるあるとして、

患者さんが便秘を簡単に考える傾向があり、主治医がいたとしても、ついでに便秘薬も処方してちょうだい、などと、なんとなく付け足しで処方されてしまうことはよくあるのではないでしょうか、ということです。

便秘症は実は、後期高齢の人では、男性の方が症状がある方が多いそうです、便秘薬を主治医に処方してもらうケースが多くなるのですが、消化器内科の医師ではないことが多く、適正な診断と処方が行われていない状況があるそうです。

診断と患者認識の相違について、

器質的疾患(大腸ガン、腸捻転、潰瘍性大腸炎など)においては、診断と患者の症状の認識に相違はありませんが、機能的疾患(検査をしても腸に異常がみられない)においては、診断と患者認識(残便感、腹痛、腹部膨満感、食欲低下など)に相違があらわれるそうです。FD(機能性ディスペプシア)も機能的疾患のひとつだそうです。

便秘症には明確な定義はないそうです。

便秘≠便秘症ですが、患者さんの症状の聴取が治療の第一歩になります。また、便秘による患者さんの状態にも留意しなくてはならなくて、排便量の減少による、腹部膨満感、腹痛、お腹が張って苦しいなどの症状はよくあるはずです。便形状の変化、硬い便だけではなく、腸内の硬い便の隙間から液状の便が出ていても便秘には変わりはないこと。そして、便秘症の方が排便時にいきむことで血圧が高くなったり、あるいは肛門部に痛みがおきたりなど、便秘による排便のトラブルも、高齢者や循環器に病気を持つ方にとっては大きな問題になります。

ここで閑話休題で排便時の姿勢について鴨志田先生からお話がありました。

直腸肛門角があり、排便は寝たままではスムースにいかず、洋式便器などで足と胴が90度の角度(横から見て)で座っても、背もたれに寄りかかるような姿勢では角度が悪く、便器に座って前傾になり、しかも足の下に台をおいて、足と胴の角度が35度くらいが丁度排便に適しているそうです。それはつまり、和式便器で排便する姿勢に重なるそうです。

まぁ、なんとなく和式便所では気持ち良くでるなぁ、とは思っていましたが(⌒-⌒; )

最近は和式便所が少なくなりましたが、旅行や遠征で高速道路を長時間利用するときなど、パーキングエリアなどのトイレで和式を探したりしてますねぇ、なんとなくお尻を付けなくて良いのも清々とするというか・・・・

ともあれ、現代では洋式便器が主流ですし、高齢者などが安楽に利用できなくてはなりません。

なので、オーギュスト・ロダン作「考えるひと」だそうです。鴨志田先生には、かのブロンズ像は思索をしている姿には見えないそうです。トイレでまねましょう(≧∇≦)

 

便秘の治療目標ですが、便の回数を正常化するとともに、お腹がはったり、痛んだり、食欲がなくなるなどの症状を治すことが大切とのことです。

ブリストル便形状スケールの紹介がありました。

このスケールにおける目標は2〜4の状態だそうですが、鴨志田先生によるとこれは英国で作られた尺度なので、日本人においては3か4が良いとのことでした。

慢性便秘の診断と治療については、器質的疾患については原疾患の治療が便秘の治療にもつながります。

そして、便秘の原因は、器質的なもの、神経性のもの、代謝障害によるものなど様々にありますが、機能的疾患における、二次性便秘の原因についてのお話がありました。

いわゆる、薬剤性の便秘です。向精神薬や抗うつ剤、カルシウム拮抗剤や抗がん剤など、様々な薬剤の服用が便秘の原因になることがあります。そのなかでもオピオイド製剤による便秘については、新薬が発売されたというトピックのお話もありました。

いわゆるオピオイドと言われる薬剤は、中枢性オピオイド受容体に作用して鎮痛効果を発揮しますが、末梢性のオピオイド受容体を介して作用すると消化管運動、消化管神経運動が抑制されて便秘になります。新薬は、この末梢の方のオピオイド受容体でオピオイド製剤に拮抗することで、薬剤による二次性便秘を治療する薬剤だそうです。

診断のうえで、便秘の警告症状についてもお話がありました。最近発症した便通の異常、体重減少、直腸の出血がある、さらに50歳以上などの条件では、大腸ガンの可能性を考えて検査してから便秘の治療をする必要があるとのことです。

また、便秘型のIBS(過敏性腸症候群)と機能性便秘のオーバラップというお話があり、厳密な区別は難しいそうです。ただ、便秘IBSでは、ブリストル形状スケールで良好な便形状になっていても、腹痛などの症状があるのが特徴だそうです。

お話は、便秘の治療、対症療法に移っていきます。

WBO(World Gastroenterology Organisation)世界消化器学会と訳してよいのですかね(⌒-⌒; )

のガイドラインを示していただきました。

まず第一段階としては、生活習慣の改善、食事指導、食物繊維の摂取、水分の摂取指導、またサプリメントの利用などです。

次の段階では、浸透圧性下剤(ラクツロースなど)やルビプロストン、リナクロチドを処方

それでもだめなら、刺激性下剤、浣腸、消化管賦活剤の処方になるそうです。

このガイドラインで特徴的なのは、日本でよく使われる酸化マグネシウムが全く登場しないことです。これについて鴨志田先生は、日本は軟水で普段マグネシウムの摂取量は少ないが、欧米の水は硬水だから普段からマグネシウムの摂取は一定量あり、さらに服用することがないのではないか、また心臓に病気がある方などは、マグネシウムの吸収がリスクになることがあるので用いられないのではないかと考察しておられました。

また消化管賦活剤の処方においては、モサプリドなどより、FD治療剤のアコファイドの方が効果が得られるとのお話がありました。

日本では便秘に適応がある漢方製剤が何種類もあるので、日本人の先生では刺激性下剤の使用前の段階で漢方製剤を使用するガイドラインを作っている方もいるお話しもありました。

その他の便秘の治療では、ごく稀に外科的治療があったり、一部の便秘の症状には、バイオフィードバックといわれるトレーニングや骨盤底筋のトレーニングなどをおこなう病院もあることをご紹介いただきました。

 

便秘に対する薬剤の服用について、ここから本題というか、大切なお話ですが、便秘の患者さんの薬の濫用についてお話がありました。

便秘関連商品はセルフメディケア商品市場で300億円をこえるそうで(O_O) 兎角、便秘の方は医師に相談するよりも、市販薬を購入して連用することが多いとのことです。

便秘症状を軽く考えることが受診にいたらない理由の一つではあるようです。

問題なのは、市販の刺激性下剤を連用した結果です。

刺激性下剤を連用することにより、メラノーシスコリという腸の器質的変化が起きるそうです!

内視鏡検査で大腸内が真っ黒になったり、ヒョウ柄のような模様を呈する患者さんがいるそうですが、刺激性下剤の1年以上の連用が原因とのことです。センナやピコスルファート、市販薬以外でも、よく使われる漢方製剤のなかで、ダイオウを含むもの、まあアロエ製剤は同じく連用でメラノーシスを起こすことがあるそうです。

メラノーシスは腸内の色が変化するだけではなく、器質的変化として、過長結腸、結腸拡張、ハウストラ消失(腸のヒダヒダがなくなる)となっていくそうです。組織にマクロファージが集積して神経細胞が減少していくのが原因と考えられるそうです。

 

つまり、そうなんです! 便秘は適切な診断と正しい薬剤の選択による治療が必要なんです。便秘といったって、どこが痛くて、どんな便で、何回でるのか、いつからなのか、みんな違うのです。

 

先生は、便秘患者のQOLの低下についてお話されました。身体的精神的QOLが低下すると、日常活動性障害率と労働生産性低下率が高くなってしまうのだそうです。便秘の患者さんはC型肝炎の患者さんより高いのだそうです。

例えば、C型肝炎の治療は大きく進歩しましたが、薬剤の使用による治療が終了するまでレクサス1台分かかります。でも肝炎の治療は労働生産性低下率をうんと下げる効果が高いので、高額でも許されるのではないでしょうか。つまり利益が大きい。

だから、便秘の治療も、たかが便秘と思わないで、安価な薬はたくさんありますが、適正な診断のもと適正な選択で多少高額な薬を服用しても、QOLをあげることが大切ではないかというお話です。

また、メーカー様の説明にもありましたが、リナクロチドの作用機序における安全性についても確認していただきましたし、今後は便秘治療の主流になるのではないかと思われます。

実際、刺激性下剤は習慣性があり、習慣的使用により抵抗性を獲得して服用量が増えるという悪循環が起きて、慢性便秘を重症化させ、結果メラノーシスにつながります。また便秘症による結腸がん発症リスクが高くなりますが、刺激性下剤服用者に多いのかもしれないとのことです。

 

便秘はまず、早いうちに適正な診断をうけて、早めに治療を開始して、慢性化させないことが大切です。

刺激性下剤の濫用になる前に、現在は新しい薬も登場して治療の選択肢も増えています。センナ、センノシド、酸化マグネシウムに比べれば、確かにリナクロチド、ルビプロストンアコチアミドなどは薬価が高いのかもしれません。でも、代え難い価値がそれにあることがよくわかりました。

 

まずは、今までを振り返って、戒めも必要かと思いました。下剤の連用を見過ごしているケースはあると思います。

今後、この知識をどう生かしていくか、それが問題です( ̄▽ ̄)

鴨志田先生、このたびは大切なお話をありがとうございましたm(_ _)m

 

 

東京バ○ナ

ブリストル便形状スケールで3から4。日本人の理想の形状だそうです( ´ ▽ ` )ノ

 

 

 

 

 

院外処方せん応需薬局 平成29年5月勉強会

5月25日に日立薬剤師会の5月の勉強会が行なわれました。

今回は日立総合病院の森川亮先生にお越しいただき、「最近の糖尿病治療」として、糖尿病の基礎知識、治療目標、症例や最近のトピックについてご講演いただき、勉強することができました。

まず、糖尿病の種類についておさらいで、1型糖尿病、2型糖尿病について確認、その他の糖尿病では膵炎・肝炎・内分泌疾患が原因のものもあること、最近は妊娠糖尿病が増えているとのことでした。妊娠糖尿病の患者さんは妊娠中は定期検診などで通院は続けるのですが、出産後、病院に来なくなってしまうのが心配と森川先生はお話されておりました。

基本的には2型糖尿病の患者さんが増え続けているということで、現在は世界で10秒に2人が糖尿病を発症しているそうです!(◎_◎;)

遺伝因子がなければ、運動不足、過食、肥満が原因ですから、気をつけねばなりませんね、自戒します(⌒-⌒; )

 

森川先生は治療薬の実際の選択についてもお話をしていただき、大変勉強になりました。

 

糖尿病の治療は早期から厳格なコントロールが重要とのことです。早期に治療することで、血管障害、心筋梗塞などの発症リスクを低下させることができるようになりました。合併症の自覚症状が起きてから受診するという事態が起きないようにしたいものですし、薬局でできること、セルフメディケーションの啓蒙も大切だと感じました。薬局の検体測定室ももっと利用率を上げるべきだと思います。

 

処方の実際では、患者さん個々で、治療目標も異なり、選択する薬剤の組み合わせも異なります。多剤併用で血圧の薬が2種類、高脂血症の薬が2剤、糖尿病治療薬が3種類なんて処方や、もっと薬の種類が多い処方だってあります。7種類以上の薬剤を処方すれば医師の処方料は減算されてしまいます。ポリファーマシー云々される時代では処方せんに薬がいっぱい書いてあるだけで、眉をひそめる人がいるかもしれません。

森川先生のお話で印象的だったのは、医師は必要だから薬を多剤併用するのだということです。

治療にあたって、副作用の発現は当然防ぐために服用量の調整もしているし、腎機能、年齢も考慮して判断を繰り返しています。薬剤による治療で患者さんが救われているのはまぎれもない事実です。症例の紹介もしていただき、森川先生のお話には納得できます。

 

最新のトピックではSGLT2阻害薬の心血管イベントの抑制効果についてがありました。製薬会社もカナグリフロジンのCANVAS試験という大規模の臨床試験の結果がもうすぐ出るということです。

発売当初、脱水や尿路感染、脳梗塞などのリスクが検査されたSGLT2阻害薬ですが、現在は6種類7製剤あり市販後調査では目立つ副作用はない状況です。

心血管イベントを合併すると2型糖尿病患者の死亡リスクは跳ね上がるそうですから、SGLT2阻害薬の体重減少や血圧低下効果とともに心血管イベントの抑制効果が確認できればとても使いやすい薬剤になるのかと思います。

 

また、2年前に発売されたGLP−1作動薬についての症例も森川先生により紹介されました。この注射剤については期待は大きいですが、実際の処方はまだまだ少ないのが現状です。しかし実際の処方例ではHbA1Cが9%を超えて続くコントロール不良の症例で劇的な効果を得ているようです。

森川先生もたとえばトルリシティなどは手技がとても簡単で週1回の接種を続けることは患者の負担にならないはずと期待を寄せています。

SGLT2阻害薬とGLP1作動薬の併用なんかも効果が期待できそうですね!

 

 

糖尿病の患者さんは、どれだけ自分が危険な状態なのかわかっていないというお話がありました。

自分の病態をいかに理解するか、治療薬の必要性をきちんと理解して持続して治療をするかはとても大切です。血糖値を下げることが大きな目的ではありません、また、すべての患者に向いている薬はないとお話されました。薬剤の組み合わせが少なくないケースで必要になります。

薬を服用せず治療する、運動食事療法は、まずは当たり前のことです。

薬を減らすことができれば、それに超したことはありません。でも患者の命を守ったり、合併症を防ぐためには多剤併用は必要なことでもあります。

 

結局、森川先生がおっしゃりたいことが最後にわかったのですが、患者さんに薬の必要性や使用法、注意をいかに理解してもらうかが治療のとっかかりとして重要ということです。

インスリンの導入をいやがる患者は少なくないそうです。注射というと静脈注射のような仰々しい、痛い怖いというイメージを持つ方が多いそうです。実際の短くて痛くない針の皮下注射を理解してもらうまでに時間がかかります。

多剤併用で何種類も薬を飲むのは、それだけでお腹がいっぱいになってしまいそうだし、副作用が心配だし、不安を感じる患者さんもいます。

GLP−1作動薬についても、注射であることが処方選択にいたらない理由になるそうです。この薬が簡単に接種できて効果があり安全な薬であることを理解することが必要で、かつ難しいからです。

 

私たち薬剤師の存在意義は、医療への参画において、やはり処方する医師と処方される患者の間にあるのだなと感じるお話でしたし、森川先生も患者の服薬アドヒアランスを向上するために薬剤師に活躍してほしいと願っています。

患者さんの治療において、ベストな薬剤が選択されて導入されるために、果たせる役割が薬剤師にはある、または責任があると感じました。

 

森川先生、貴重なお話をありがとうございましたm(_ _)m

 

 

地域健康フォーラム in ひたち 

平成29年1月28日に地域・医療・行政の協働事業である「地域健康フォーラム in 日立」に日立薬剤師会も参画して「お薬なんでも相談コーナー」を開設しました。今年で2年目になりますが、大盛況のうちに活動をすることができました。関係者の皆様お世話になりました、ありがとうございますm(_ _)m

日立薬剤師会のホームページの方に記事を掲載しました。

http://hitachiyaku.com/activity/event.html

 

日立薬剤師会新年会が開催されました!

平成29年1月28日(土曜日)に日立薬剤師会新年会が開催されました。

日立薬剤師会の鈴木会長の挨拶に続いて、茨城県薬剤師会の根本会長から挨拶をいただきました。

日立医師会会長の星野先生からの挨拶では、世相への憂いと若い世代への期待など、ご自身の体験を含めた含蓄のあるお話があり、感動しました。私たちは諸先輩がたの話に改めて耳を傾ける必要があります。

日立歯科医師会の間宮会長からは、いつも通り軽妙でやさしさにあふれた楽しいお話をいただきました。ありがとうございましたm(_ _)m

 

すみません、当日受付をしていたので、日立薬剤師会の鈴木会長の話は聞けませんでした(^^;;

 

楽しい時間を過ごすことができました。また、新たな交流も生まれ、将来につながる会になったのかな、と思います。ひとりでできないことも、仲間を作ることでなんとかなるものです。今後ともよろしくお願いいたします。

 

院外処方せん応需薬局 平成28年9月勉強会

9月15日(木)に日立薬剤師会定例の勉強会がおこなわれました。

第一三共製薬株式会社様のご協力を得て、講師に千葉クリニックの院長、千葉一博先生をお招きすることができました。

今回は、テーマ「血栓症」として「心房細動に対する新しい治療について」をご講演いただきました。

とてもわかりやすく内容をまとめていただき、読みやすいレジュメもお作りいただいたうえ、日常の診療における感慨や信念を織り交ぜたお話もあり、最新の治療法の解説もしていただくという、なんというか、講演を聞いた者は得をした勉強会でした。

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お話はまず、心房細動の種類と典型的な所見について説明していただきました。

心房細動による心原性脳塞栓症の治療について、抗凝固剤による服薬治療にばかり意識が向くきらいがあり、なんとなく、抗凝固剤をのんでいれば自覚症状がそんなにない心房細動なら不整脈自体はそのままでも大丈夫なのかな、などと思っていました。なので、そもそもの心房細動の病態と治療について学ぶ良い機会になりました。

心房細動には発作性心房細動(7日以内に自然停止する心房細動)、持続性心房細動(7日以上自然停止しない心房細動)と永続性心房細動(除細動が不能または試みられなかった心房細動)があり、初発心房細動(初めて診断された心房細動)も含めて分類します。自然停止する心房細動であっても症状を繰り返すうちに永続性心房細動になりうるということでした。

心房細動の治療としては、初発や発作性心房細動で48時間以内ならば除細動をおこなうそうです。Ia群の抗不整脈薬を用いて実施しますが、除細動の成功率は約30%だそうです。少ないですが電気的除細動をおこなうこともあるそうです。

心房細動になって48時間経過していると、すでに左房内血栓ができている可能性が高いそうです。薬剤で脈拍のコントロールをおこないつつワルファリンカリウム療法を一定期間実施し、そのうえで除細動をおこなうそうです。抗凝固剤の服用は除細動の後も最低4週間は必要とのことです。

3ヶ月以上続く心房細動では、除細動しても洞調律に戻る可能性は低いので脈拍のコントロールと抗凝固療法を続けるとのことです。

 

ところで、抗凝固薬についてですが、直接Xa阻害剤とトロンビン直接阻害剤は今までNOACと呼ばれてきました。でも国際血栓止血学会がDOACと呼ぶことを推奨しているそうです。今回の勉強会でも千葉先生はDOACという呼称を使用されていました。今後はDOACと呼ばれることになるようです。

NOAC(Novel Oral Anti Coagulants)からDOAC(Direct Oral Anti Coagulants)です。レジュメから写しました(^^;;

 

さて、心房細動は心原性脳塞栓症の原因になりますが、非心原性脳塞栓症のアテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞についても解説していただきました。並べて病態と原因について解説していただいたので、心原性脳梗塞の重症度が高いことを確認できました。やはり抗凝固療法は大切です。

 

そして、白色血栓と赤色血栓のお話が印象に残りました。

動脈に生じる血栓は、血小板が主体となっており、「血小板血栓」「白色血栓」と呼ばれるそうです。これに対し、静脈血栓は、フィブリンと赤血球を主体とする「フィブリン血栓」「赤色血栓」が生じます。動脈は血流が速いことに起因する血栓で、静脈は血流が遅いことに起因し、凝固系因子が働いて血栓の形成をします。なんのことか分かりにくいですが、千葉先生による、川岸の砂的血栓(白色血栓)と池の藻的血栓(赤色血栓)という表現が腑に落ちました。

白色血栓には抗血小板剤、赤色血栓には抗凝固剤を適用することがよく理解できます。

そして、心房細動があると心房内で赤色血栓がべったりと形成され、それが剥がれて脳の血管まで流れると、脳の太い血管で詰まるわけです。

赤色血栓のことからもわかる通り、千葉先生も繰り返しお話されていましたが、心原性脳塞栓症には抗血小板剤は全く無効で、有害事象しか来さないということになります。

そこで、やはり抗凝固療法は必要で大切です。有用性はあってもリスクが心配で処方に踏み切れないケースも、日立医師会が主導する心房細動連携パスなど、専門医との連携により解消する方向に進みそうです。

 

千葉先生の処方について、実臨床における苦悩なども織り交ぜたお話のなかで、やはりワーファリンの処方におけるPT-INRコントロールの煩雑さ、相互作用の懸念、出血リスクの不安から解放されるDOACは使いやすく、信頼できる薬剤になるようです。

薬剤選択の基準としては、やはり診療の際に実感している服用回数が少ない方がアドヒアランアスが向上するということ、1日1回服用がよい。服用が想定される高齢者は腎機能が落ちますから、腎排泄が少ない薬剤も条件になります。

千葉先生は自分で服用するならエドキサバンとおっしゃっていました。まあ、勉強会を開いていただいたメーカー様にご配慮をいただいたのもあるでしょうが、実際に信頼できる条件にあう薬剤だそうです。体重で減量できたり、60mg錠を半錠で処方すると値段を安くできるので、DOACの欠点である患者負担金が高くなる問題も解決できるようです。

 

結論では、やはりDOAC療法は心房細動による心原性脳塞栓症発症抑制のスタンダードな治療になること。患者のアドヒアランス向上のためにやはり薬剤師には大きな役割があることをご教示いただきました。改めて気を引き締めなければなりません。

 

最後に、最近日立総合病院でもはじまったカテーテルアブレーションについても解説していただきました。千葉先生の患者さんもこの治療により心房細動が完治した事例もあるそうです。また、発作性心房細動と永続性心房細動では手術の方法が違うそうです。

 

千葉先生、この度はわかりやすく多岐にわたる講演をいただきありがとうございました。個人的には、このブログを見てくださって感想をいただけたことがうれしかったです。

 

さらに個人的には、何年も前のことですが、私の愚息が定期接種で千葉クリニックにお世話になった際に、大暴れして何度もけっとばしてしまってすみませんでしたm(_ _)m 私の家内によると先生は蹴られながらも注射してくれたそうです;^_^A

 

お薬講座「食事と薬の相互作用・他」

平成28年5月25日におこなわれた、栄養士会の皆様の勉強会における「お薬講座」です。

(このたびスキルアップのために病院薬剤師に転身された^ ^)菊池孝徳先生が講師を務めました。栄養士会という専門職の勉強会におまねきいただいてお薬講座をおこなうことができました。このような機会は薬剤師の職能向上にとってもありがたいことです。これからも多職種連携の実績を重ねて、薬剤師が会としても個人としても地域や医療グループからさらに必要とされる存在になれることを願います。

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菊池先生は料理が趣味ですから、栄養士の皆様にはシンパシーがあります。自らの活動も紹介しながらの講座になったので興味を持っていただき有意義な講座になりました。ご自身も楽しんでおられたのではないでしょうか(^ ^)

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菊池先生には、お得意の薬膳料理についてもお話いただける機会があれば良いなあ、と思います。

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内容は薬物相互作用が考えられる4つのパターンから

【吸収時における相互作用】

【分布時における相互作用】

【代謝時における相互作用】

【排泄時における相互作用】

を掘り下げていきますので専門的な内容にもなります、栄養士さんでなくても、当然勉強になる内容です。せっかくなので別の機会に是非再講演していただきたいですね!

 

菊池先生、今後ともよろしくお願い致しますm(_ _)m

 

「医療に係る地域活動の取組に参画していること」の疑義解釈

http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=355487&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000124651.pdf

薬剤師の皆様から関心が高い事項ですが、厚労省から疑義解釈が公表されました。あいまいな定義だったものが、具体的に示されたことになります。

でも追加で「当面の間は要件に該当する」とされた活動については、さらにあいまいな定義になってしまいました。時期が来れば価値がなくなるとでもいうような表現と受け取れますが、それでよいのでしょうか。

今だからこそ、私たち薬剤師は「かかりつけ薬剤師」の要件に振り回されないように、地域貢献の本質に立ち戻るべきではないでしょうか。

点数のためや、評価のために労を費やすことがなく、それに意義があると信じれば、たとえ評価として価値がなくても続けなくてならないと思います。利己的な価値観と一致するような活動なら、それは本質と乖離する現象として終わりを迎えることになるのではないでしょうか。

それでもまず、なにもしなければ沈むだけではあるのでしょう。浮き上がるためにはまず手を差し延べて、何かを掴むことはしなくては・・・・

「お薬講座」講師募集のおしらせ

以下はFAX一斉送信した案内の文章です。「日立薬剤師会のホームページ」の「会員の皆様」ページの「おしらせ」にも案内状のファイルを置いてます。案内状は申込書にもなっていますので、なくなってしまったら印刷して利用してください。

http://hitachiyaku.com

 

日立薬剤師会会員の皆様へ

「お薬講座」講師募集のおしらせ

平成28年4月20日

桜の季節もいつしか過ぎ、春らしい暖かな季節となりました。会員の皆様におかれましては、調剤報酬改定もあり忙しい日々を過ごされているかと思います、日々の業務ご苦労さまです。

さて、日立薬剤師会では、日立市と連携して地域住民を対象とした「お薬講座」を開催しております。この事業は薬剤師が社会・市民に対して、その存在を示して地域に貢献するために実績を積み重ねてきました。昨年度は15回の開催をして、市民の皆様からも好評を得ており、本年度も事業を継続してまいります。つきましては、広く会員の皆様に活躍していただくために、さらに講師を募りたいと存じます。この機会に是非参加をいただき、地域貢献に協力していただければ幸いです。調剤報酬改定における「かかりつけ薬剤師」の要件にも地域に顔がみえる存在になることが示された時勢でもあります。せっかくですから楽しんで参加していただければよいのではないでしょうか、講師経験のない方でも委員会がしっかりサポートしますのでご安心ください。(参加日程については調整なしに割り当てることはありません)お薬講座の他にも活動しておりますし、特に申し込み期限を設けません。参加を希望される方はご連絡ください、お待ちしております。また、不明な点はお問い合わせください、よろしくお願い致します。

厚生労働省 疑義解釈資料について

4月1日になりました。

診療報酬改定が行われての初日ですね、昨日のQ&A発表で、今朝からバタバタ慌てた方もいるのかもしれません、お疲れ様です(⌒-⌒; )

3月27日の県薬剤師会の説明会とは解釈が若干違う所がありますので、目を通しておくとよいです。

疑義解釈資料の送付について(その1)とのことです。

http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=344633&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000119348.pdf

調剤報酬関連は113ページあたりからです。