第152回 県北薬剤師勉強会

_IGP9368前の方しか席がなくてこんな写真になってしまいました(⌒-⌒; )。

メインの小松洋治先生の講演の前に、日立薬剤師会会長鈴木勝俊先生の講演がありました。「抗凝固療法 処方医に届かない患者の声」と題してのお話です。患者さん目線での、薬物療法に対する不安や期待を丁寧に説明していただけたのではないかと思います。病院の医師や薬剤師の先生からも多数の質問を受け、活発な講義になっていました(前座講義で質問が飛ぶのを初めて見たような気がします^-^)/)。内容は続く小松先生の講義につながりました。

日立総合病院脳神経外科 小松洋治先生の講義は「NOACにより心原生脳塞栓症医療はどのように向上したか?」でした。

ワルファリンカリウムとNOACを比べた時に、NOACは効果は同等以上であり、ワルファリンカリウム使用時の脳骸内出血リスク上昇とその出血の拡大を回避できる薬剤とのことです。それは抗凝血薬服用者の頭部外傷にも同じことがいえるそうです。また、半減期が短いので、ワーファリン服用者の手術時の薬剤の切り替えが必要ないことも大きなメリットのようでした。なにしろ、ワーファリンのリスクに躊躇して投与されずに起きてしまう心原性の脳卒中を防ぐことができるようになるのです。

NOACのデメリットもあるのですが、例えば薬価に見る薬剤費の差について、ワルファリン服用よりも脳骸内出血の発生や重症化を防ぐので、トータルの医療費はかからなくて済むという海外のデータを示されていました。腎機能値も正常値においては作用に違いがないそうですし、ワルファリンカリウムの添付文書の記載情報量に比べたらNOACの添付文書はすっきりしているのかもしれません、NOACの方が服用できる層が極端にしぼられるわけでもないようです。

小松先生は脳外科医としてはワルファリンと比べてNOACを選択しない理由はないとおっしゃっておりました。

でも、循環器内科のワルファリンカリウム服用患者で、INRが良好に管理できているケースでは、はっきり薬を変えろとはいえないのが現状とのことです(循環器内科の先生のお話もきいてみたいですね^ – ^)。処方医に届かない患者の声・脳外科医の声といったところでしょうか。

今日の鈴木先生、小松先生のお話から、NOACの問題点で一番大きいと感じたのは、半減期が短いことから怠薬厳禁なことですね。ワーファリンと比べてさらに、しっかり服用管理しないとせっかくの治療の効果がなくなります。薬局薬剤師として一番注意する点かもしれません。

えーと、NOACとは新規抗凝固薬(イグザレルト、プラザキサ、エリキュースなど)のことで、Novel oral anticoagulantsか、Non-vitaminK antagonisti oral anticoagulantsの略らしいですが、どちらが正しいのかわからないです。ちなみに「ノアック」と読みます(私は最近読み方をしりました;^_^A)。