安定ヨウ素剤事前配布会

今日は市内の3カ所で、日立市における安定ヨウ素剤配布会がおこなわれました。来週、再来週も市内3カ所ずつでおこなわれます。
_R000291

「安定ヨウ素剤事前配布会」とは、事前に「安定ヨウ素剤」を配布することで、「事前」とは原子力施設の事故が起きる以前のことを指しています。

どういうことかというと

国の原子力災害対策指針において、事故が想定される原子力発電所から半径およそ5キロ圏内の区域がPAZ(Precautionary Action Zone予防的防護措置を準備する区域)とされ、日立市内の一部も区域に含まれます。

この区域では、原子力施設で事故が起きたとき、急速に事故が進展する場合においても確定的影響(この措置で想定するのは内部被曝)を回避するため、放射性物質の公衆環境への放出前から予防的にPAZ内に居住する住民に安定ヨウ素剤を所持していただくことになります。

なんのために安定ヨウ素剤を持っていてもらうかというと、原子力施設で事故が起きて放射性物質が放出されて避難しなくてはならない時に服用してもらうためです。

原子力事故により放射性ヨウ素が放出された環境でも、非放射性ヨウ素製剤である安定ヨウ素剤を予防的に内服して、甲状腺内のヨウ素を安定同位体で満たしておけば、以後のヨウ素の取り込みが阻害されることで、放射性ヨウ素による内部被曝を防ぐことができるということになります。

だから避難の際に安定ヨウ素剤を服用して初期の内部被曝を防ぐのです。

予防的措置といっても、予め行うのは安定ヨウ素剤の配布で、実際の服用については原子力事故が起きて、国や地方自治体の判断と指示があってからになります。

 

 

私も薬剤師として配布会のお手伝いに行ってきました。

そして、本日ご協力いただいた薬剤師の皆様、日立薬剤師会のよびかけに答えていただきありがとうございましたm(_ _)m

来週・再来週もよろしくお願いいたします、またがんばりましょう!

 

_R000290

配布会には、たくさんの住民の方がいらっしゃって、様々なお話をうかがいました。

お薬手帳を持参されて、服用されている薬と安定ヨウ素剤の併用について質問される方もたくさん居られました。

また、皆さん色々な感情を持って配布会に来ているのを実感しました。

結局、逃げなくてはならない事態にはなって欲しくないという気持ちは共通です、当たり前ですが・・・。

 

2011年に福島原発の事故があったので、原子力施設の事故の蓋然性が前提となり国が対策を施す中、原子力発電所の再稼動が次々と認可されている現状には、やはりねじれを感じざるを得ないです、個人的に。

いや、この事業を否定するわけではないです。県の職員や市の職員の皆様は、国民・住民のために身を粉にして働いています本当に、多謝多謝です。

日本人としてエネルギーを享受している以上、供給してくれている技術や企業にも敬意を持たねばならないとも思います。

それに現状では予防的措置がある方が良いに決まっています。福島原発事故以来、もし何もしなかったら、そんなの怠慢です。

 

 

 

 

あの日とそれからの日々、黒澤明のカラー映画や忌野清志郎の替え歌を頭に巡らせながら過ごした夜に、何を考えていたのだったか・・・

 

本当の安全とは何なのか? というさらなる前提に思考がめぐるわけですが、

ひとつひとつ、できることをやっていくしかありませんね( ´ ▽ ` )ノ

 


コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください