院外処方せん応需薬局 平成28年9月勉強会

9月15日(木)に日立薬剤師会定例の勉強会がおこなわれました。

第一三共製薬株式会社様のご協力を得て、講師に千葉クリニックの院長、千葉一博先生をお招きすることができました。

今回は、テーマ「血栓症」として「心房細動に対する新しい治療について」をご講演いただきました。

とてもわかりやすく内容をまとめていただき、読みやすいレジュメもお作りいただいたうえ、日常の診療における感慨や信念を織り交ぜたお話もあり、最新の治療法の解説もしていただくという、なんというか、講演を聞いた者は得をした勉強会でした。

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お話はまず、心房細動の種類と典型的な所見について説明していただきました。

心房細動による心原性脳塞栓症の治療について、抗凝固剤による服薬治療にばかり意識が向くきらいがあり、なんとなく、抗凝固剤をのんでいれば自覚症状がそんなにない心房細動なら不整脈自体はそのままでも大丈夫なのかな、などと思っていました。なので、そもそもの心房細動の病態と治療について学ぶ良い機会になりました。

心房細動には発作性心房細動(7日以内に自然停止する心房細動)、持続性心房細動(7日以上自然停止しない心房細動)と永続性心房細動(除細動が不能または試みられなかった心房細動)があり、初発心房細動(初めて診断された心房細動)も含めて分類します。自然停止する心房細動であっても症状を繰り返すうちに永続性心房細動になりうるということでした。

心房細動の治療としては、初発や発作性心房細動で48時間以内ならば除細動をおこなうそうです。Ia群の抗不整脈薬を用いて実施しますが、除細動の成功率は約30%だそうです。少ないですが電気的除細動をおこなうこともあるそうです。

心房細動になって48時間経過していると、すでに左房内血栓ができている可能性が高いそうです。薬剤で脈拍のコントロールをおこないつつワルファリンカリウム療法を一定期間実施し、そのうえで除細動をおこなうそうです。抗凝固剤の服用は除細動の後も最低4週間は必要とのことです。

3ヶ月以上続く心房細動では、除細動しても洞調律に戻る可能性は低いので脈拍のコントロールと抗凝固療法を続けるとのことです。

 

ところで、抗凝固薬についてですが、直接Xa阻害剤とトロンビン直接阻害剤は今までNOACと呼ばれてきました。でも国際血栓止血学会がDOACと呼ぶことを推奨しているそうです。今回の勉強会でも千葉先生はDOACという呼称を使用されていました。今後はDOACと呼ばれることになるようです。

NOAC(Novel Oral Anti Coagulants)からDOAC(Direct Oral Anti Coagulants)です。レジュメから写しました(^^;;

 

さて、心房細動は心原性脳塞栓症の原因になりますが、非心原性脳塞栓症のアテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞についても解説していただきました。並べて病態と原因について解説していただいたので、心原性脳梗塞の重症度が高いことを確認できました。やはり抗凝固療法は大切です。

 

そして、白色血栓と赤色血栓のお話が印象に残りました。

動脈に生じる血栓は、血小板が主体となっており、「血小板血栓」「白色血栓」と呼ばれるそうです。これに対し、静脈血栓は、フィブリンと赤血球を主体とする「フィブリン血栓」「赤色血栓」が生じます。動脈は血流が速いことに起因する血栓で、静脈は血流が遅いことに起因し、凝固系因子が働いて血栓の形成をします。なんのことか分かりにくいですが、千葉先生による、川岸の砂的血栓(白色血栓)と池の藻的血栓(赤色血栓)という表現が腑に落ちました。

白色血栓には抗血小板剤、赤色血栓には抗凝固剤を適用することがよく理解できます。

そして、心房細動があると心房内で赤色血栓がべったりと形成され、それが剥がれて脳の血管まで流れると、脳の太い血管で詰まるわけです。

赤色血栓のことからもわかる通り、千葉先生も繰り返しお話されていましたが、心原性脳塞栓症には抗血小板剤は全く無効で、有害事象しか来さないということになります。

そこで、やはり抗凝固療法は必要で大切です。有用性はあってもリスクが心配で処方に踏み切れないケースも、日立医師会が主導する心房細動連携パスなど、専門医との連携により解消する方向に進みそうです。

 

千葉先生の処方について、実臨床における苦悩なども織り交ぜたお話のなかで、やはりワーファリンの処方におけるPT-INRコントロールの煩雑さ、相互作用の懸念、出血リスクの不安から解放されるDOACは使いやすく、信頼できる薬剤になるようです。

薬剤選択の基準としては、やはり診療の際に実感している服用回数が少ない方がアドヒアランアスが向上するということ、1日1回服用がよい。服用が想定される高齢者は腎機能が落ちますから、腎排泄が少ない薬剤も条件になります。

千葉先生は自分で服用するならエドキサバンとおっしゃっていました。まあ、勉強会を開いていただいたメーカー様にご配慮をいただいたのもあるでしょうが、実際に信頼できる条件にあう薬剤だそうです。体重で減量できたり、60mg錠を半錠で処方すると値段を安くできるので、DOACの欠点である患者負担金が高くなる問題も解決できるようです。

 

結論では、やはりDOAC療法は心房細動による心原性脳塞栓症発症抑制のスタンダードな治療になること。患者のアドヒアランス向上のためにやはり薬剤師には大きな役割があることをご教示いただきました。改めて気を引き締めなければなりません。

 

最後に、最近日立総合病院でもはじまったカテーテルアブレーションについても解説していただきました。千葉先生の患者さんもこの治療により心房細動が完治した事例もあるそうです。また、発作性心房細動と永続性心房細動では手術の方法が違うそうです。

 

千葉先生、この度はわかりやすく多岐にわたる講演をいただきありがとうございました。個人的には、このブログを見てくださって感想をいただけたことがうれしかったです。

 

さらに個人的には、何年も前のことですが、私の愚息が定期接種で千葉クリニックにお世話になった際に、大暴れして何度もけっとばしてしまってすみませんでしたm(_ _)m 私の家内によると先生は蹴られながらも注射してくれたそうです;^_^A

 

エピペンについて

学校薬剤師の活動で、教職員向けにエピペンの使用法と保管方法についてお話する機会をいただきました。

2012年に東京都で起きた給食後のアレルギー事故など、悲劇を繰り返さないために必要な知識と思われます。また、担当小学校において、低学年児童があらたにエピペンが処方されたことがきっかけで、全教職員が知識を習得することになりました。

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ファイザー製薬のガイドラインと動画を利用させていただきましたので、内容は既存のものにそってお話しました。それでも個人的に疑問を持ったことを事前に製薬会社に問い合わせをして、得心したことがいくつかありました。

 

ひとつは、エピペンは自己注射薬ですが、針の太さが22Gで、長さが13mmから15mmあることです。自己注射としてなじみがあるインスリンなどに使用される針は34Gで4mmなどですから、比べるとエピペンはだいぶ太くて長いことになります。皮下注射と筋肉注射の違いがありますので当然なのですが、注射時に痛みを感じることがありそうです(⌒-⌒; )

 

それから、保管方法にて、保存温度が15〜30℃とされていて、冷所保管(冷蔵庫など)はさけることになっている理由についても問い合わせました。添付文書記載の貯法は室温・遮光保存ですから、エピペン付属の遮光ケースに入れておけば1〜30℃の安定性は問題ないはずです。ならば高温をさけるために凍結をさけて冷所保管するのは好ましいようにも思われます(携帯時には保冷剤などを用いることが推奨されています)。

保存温度についてメーカーの答えは、アドレナリン注射液製剤は1〜30℃で承認を受けているが、エピペン注射器はプラスチック、ゴムなどの合成樹脂を多用しているので急激な温度変化に耐えないということでした。冷えている状態の注射器自体が温度変化で変形し誤作動を起こす可能性があるとのことです。また当然、薬剤自体も急激な温度変化が起きた場合正常な量の摂取ができなくなる可能性もあるわけです。メーカーとしては15〜30℃で保管されていない場合は正常な動作は保証できないとのことです。

インスリン製剤などは冷蔵庫から出して室温に慣らしてから使用開始することなりますが、エピペンの場合、使用時は悠長に室温に慣らすような時間はないでしょうから、最初から使用できる温度で保管すると考えれば腑に落ちます。例えばですけれど、10℃の室温などの環境に保管してしまっても、10℃の環境にて接種するのなら問題はないということになります。

学校で保管するときは室内の暖房や直射日光の当たらないところ、携帯するときは日の当たるところに長時間おかないこと、屋外なら日陰にて一時保管するということでよいのではないでしょうか。児童が登下校でエピペンを携帯する際、保冷剤や保冷容器などは使わなくても大丈夫と考えてよいでしょう。

 

この機会に、アレルギー、アナフィラキシー、ショック症状についておさらいして、対処法やエピペンの使用法を勉強できたことは良い経験にもなりました(^ ^)

 

小学校に行くと先生方と会うことで勉強になりますが、おもしろい子どもたちにもめぐり逢うので楽しいです。今日の午後は数人の中学生が小学校の前庭の芝生を利用して逆立ちの練習をしていました。話を聞くと中学校のサッカー部だそうで、中学校のグラウンドが使えない日なので自主練習です。

逆立ちで歩くことは部活の練習メニューだそうですが、なるほど、山砂が固まったグラウンドの上では手のひらが痛くなるだろうな、と思いました。

 

この逆立ち練習をすると、バランス能力が向上したりするのかね?ときいてみたのですが

 

こんなの根性がつくだけですよ!!

 

どうもルーチンメニューをちゃっちゃとこなして、サッカーをする時間を多くするために自主練習しているようでした。

なんと聡明なんでしょう!

自分の行動を愛することは素晴らしいです、サッカーのために逆立ち歩きをを習得する中学生たちから学ぶことは多いと思います。

大人は不条理・不合理なことを避けすぎではないでしょうか。とかく仕事にからむこととなると自分の利にならないことを忌避していると思います、自戒の念をこめて、無駄と思えることでも何でもやっておこうと思います。エピペンの使用法の習得だって、薬剤師会の会計業務だって、やっておけばいつか誰かの、自分の役にたつと信じて(^^;;

 

 

 

ともあれ、逆立ち歩きはまちがいなく身になるよ、少年。

 

公認Sports Pharmacistに公認された話

ロシアの陸上ならびに他競技も含めて、この夏のオリンピックに出場できなくなるかもしれません。でも、スポーツでズルしないことは大原則です。

能力の向上と技の追求は罪ではありませんが、そのためにルールを逸脱してしまえば近代スポーツとは違うものですから、闘争の論理をもってしても相容れません。

運動能力向上や興奮作用だけではなく、それを隠蔽するための薬剤や、ルールに網羅されない抜け道を作るための薬剤など、いたちごっこを呈してきたアンチドーピング活動ですから、とても広い範囲で禁止薬物があります。なのでアスリートがうっかり市販の風邪薬などを服用して、ドーピング検査で陽性になるなどの悲劇も起きてしまいます。

ですから、アスリートは薬物に対するモラルはもちろん、うっかりドーピングを防ぐためにも正しい知識を身につけなくてはなりません。最高基準の競技レベルではない選手はドーピングの知識が乏しく、サポートする環境も十分でないケースもありえますが、ドーピング検査の対象になる大会にでる可能性もあります。

それで、公益財団法人日本アンチドーピング機構(JADA)は日本中にいる薬剤師に禁止薬物の知識を習得させてスポーツファーマシストを認定し、アスリートが気軽に相談できる環境を構築しようとしているわけです。

 

今年度も基礎講習会が実施されるようですね(^ ^)

そういえば、なんですけれど5月にスポーツファーマシストの認定証と最新の禁止表国際基準が届いていました。

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認定を受けるためにテキスト代と合わせて27000円ほどかかりました。認定の有効期限があり、私の認定期間は2020年3月31日までとなるそうです。認定を延長するにはまた2万円かかるそうです。

 

専門知識を担保するために認定を更新制にすることは良いです。講習を受ける権利を得るためにある程度の負担も受け入れるべきでしょう。

 

でも、うーん、なんかしらの権限を与えられるわけでもなく、公式なアンチドーピングキャンペーンのアクティビティに参加できる道があるわけでもなく、とりあえず認定あげるからスタンドアロンでもなんでも活動してくださいということなんだけれど。

「アスリートのうっかりドーピングを防ぐためには、薬剤師の皆様の活躍が必要です!」なんて・・・(これやっぱりJADAのカネヅルじゃないの( ̄▽ ̄)?)

日本薬剤師会が会員むけに毎年発行しているアンチドーピングのテキストがあれば十分だったり・・・・

 

 

でもまあ、とりあえず

認定期間の4年間で誰かの役に立てるように、公認スポーツファーマシスト検索に登録しましたよ(^ ^)

http://www3.playtruejapan.org/sports-pharmacist/search.php

(毎年何千人も認定受けているのに登録者少なすぎじゃね。でも、情報の公開は自己責任です、だそうですから(^^;;)

 

なにができるか模索しながら、必要とされるときのために備えておこうと思います。2019年には茨城国体が開催され、日立市もバスケットボールの会場になります、必ず活躍の場はあるのではないかと思っています。

また、何かを与えられるのを待つよりも、手に入れたツールを利用して前に出るほうが良いでしょう。スポーツの立場からすればフェアな精神は原則です。伝えなければならない者がいるという自覚はあります。

 

フェアであればこそ、

NO PAIN,NO GAIN

まあ、あいかわらずですが、ちょっとずつ、前へ

ですね(^ ^)

 

お薬講座「食事と薬の相互作用・他」

平成28年5月25日におこなわれた、栄養士会の皆様の勉強会における「お薬講座」です。

(このたびスキルアップのために病院薬剤師に転身された^ ^)菊池孝徳先生が講師を務めました。栄養士会という専門職の勉強会におまねきいただいてお薬講座をおこなうことができました。このような機会は薬剤師の職能向上にとってもありがたいことです。これからも多職種連携の実績を重ねて、薬剤師が会としても個人としても地域や医療グループからさらに必要とされる存在になれることを願います。

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菊池先生は料理が趣味ですから、栄養士の皆様にはシンパシーがあります。自らの活動も紹介しながらの講座になったので興味を持っていただき有意義な講座になりました。ご自身も楽しんでおられたのではないでしょうか(^ ^)

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菊池先生には、お得意の薬膳料理についてもお話いただける機会があれば良いなあ、と思います。

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内容は薬物相互作用が考えられる4つのパターンから

【吸収時における相互作用】

【分布時における相互作用】

【代謝時における相互作用】

【排泄時における相互作用】

を掘り下げていきますので専門的な内容にもなります、栄養士さんでなくても、当然勉強になる内容です。せっかくなので別の機会に是非再講演していただきたいですね!

 

菊池先生、今後ともよろしくお願い致しますm(_ _)m

 

「医療に係る地域活動の取組に参画していること」の疑義解釈

http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=355487&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000124651.pdf

薬剤師の皆様から関心が高い事項ですが、厚労省から疑義解釈が公表されました。あいまいな定義だったものが、具体的に示されたことになります。

でも追加で「当面の間は要件に該当する」とされた活動については、さらにあいまいな定義になってしまいました。時期が来れば価値がなくなるとでもいうような表現と受け取れますが、それでよいのでしょうか。

今だからこそ、私たち薬剤師は「かかりつけ薬剤師」の要件に振り回されないように、地域貢献の本質に立ち戻るべきではないでしょうか。

点数のためや、評価のために労を費やすことがなく、それに意義があると信じれば、たとえ評価として価値がなくても続けなくてならないと思います。利己的な価値観と一致するような活動なら、それは本質と乖離する現象として終わりを迎えることになるのではないでしょうか。

それでもまず、なにもしなければ沈むだけではあるのでしょう。浮き上がるためにはまず手を差し延べて、何かを掴むことはしなくては・・・・

「お薬講座」講師募集のおしらせ

以下はFAX一斉送信した案内の文章です。「日立薬剤師会のホームページ」の「会員の皆様」ページの「おしらせ」にも案内状のファイルを置いてます。案内状は申込書にもなっていますので、なくなってしまったら印刷して利用してください。

http://hitachiyaku.com

 

日立薬剤師会会員の皆様へ

「お薬講座」講師募集のおしらせ

平成28年4月20日

桜の季節もいつしか過ぎ、春らしい暖かな季節となりました。会員の皆様におかれましては、調剤報酬改定もあり忙しい日々を過ごされているかと思います、日々の業務ご苦労さまです。

さて、日立薬剤師会では、日立市と連携して地域住民を対象とした「お薬講座」を開催しております。この事業は薬剤師が社会・市民に対して、その存在を示して地域に貢献するために実績を積み重ねてきました。昨年度は15回の開催をして、市民の皆様からも好評を得ており、本年度も事業を継続してまいります。つきましては、広く会員の皆様に活躍していただくために、さらに講師を募りたいと存じます。この機会に是非参加をいただき、地域貢献に協力していただければ幸いです。調剤報酬改定における「かかりつけ薬剤師」の要件にも地域に顔がみえる存在になることが示された時勢でもあります。せっかくですから楽しんで参加していただければよいのではないでしょうか、講師経験のない方でも委員会がしっかりサポートしますのでご安心ください。(参加日程については調整なしに割り当てることはありません)お薬講座の他にも活動しておりますし、特に申し込み期限を設けません。参加を希望される方はご連絡ください、お待ちしております。また、不明な点はお問い合わせください、よろしくお願い致します。

厚生労働省 疑義解釈資料について

4月1日になりました。

診療報酬改定が行われての初日ですね、昨日のQ&A発表で、今朝からバタバタ慌てた方もいるのかもしれません、お疲れ様です(⌒-⌒; )

3月27日の県薬剤師会の説明会とは解釈が若干違う所がありますので、目を通しておくとよいです。

疑義解釈資料の送付について(その1)とのことです。

http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=344633&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000119348.pdf

調剤報酬関連は113ページあたりからです。

5年前の大震災と日立市と薬剤師

3月11日は、5年前も金曜日でしたね。

今日お会いした患者さんの中に、5年前のこと、薬局で調剤を受けた後に震災にあわれたことを思い出して語ってくれた方がいました。同じ金曜日の病院受診後で、薬を手に入れた後だったので助かったとおっしゃってました。

自分の薬がない状態で混乱の中に投げ出された人たちは、本当に不安だったと思います。薬を手に入れなければ命にかかわる人だっていました。

 

5年前、日立市内の多くの薬局は、自分の薬局も被災したまま、電気も水も止まった状態で、混乱の中で薬や衛生用品の供給を続けました。3月12日には在宅の訪問を実施していた薬局もあり、がれきの中、徒歩で患者さんのお宅にむかう薬剤師の姿がありました。

自分たちの街より東北ではもっと甚大な被害がある様子で、そんなに遠いところではない福島原発では原子炉が爆発に至っていることもわかる中、目の前で起こることに対して懸命に対応していました。

ライフラインが復旧しはじめるのと同時に基幹病院の処方せんの発行にも対応できた記憶があります。全壊していない薬局では、修復や修理、片付けは後回しの状況でした。

 

日立市も津波の被害が大きく、一部の公民館・体育館は避難所として利用されました。そこに福島原発事故の影響から逃れるために、いわき市を中心とした地域からの避難者を受け入れる事態となり、短くない間、避難所には大勢の人たちが過ごしていました。

避難所では当然のように病人が発生し、また、持病の薬の持ち合わせがなくなる人たちもいたわけです。日立医師会は市と連携をとり避難所の患者発生に対応しましたが、そこに薬を供給する薬局と薬剤師はお互いに系統だった連携がとれず、各々の判断と行動力で活動しました。それぞれが本当に苦労する経験をしました。

例えば、県外から避難してきた方に対して、必要な医薬品があり、必要性を医師が判断したので、薬剤師は調剤をするのですが、そのための薬剤を、福島とちがい救援物資として援助されていない日立市では、薬局で持ち出すことになるわけです。

金額が安くはない医薬品を供給するうえで、いったい誰が薬品代を負担するのかを薬局自身が模索しなければなりませんでした。市の担当者は国が負担するといいますが、正式な救護所でないところに支給される要件がさっぱりわかりませんでしたし、患者には薬品代はかからないとアナウンスします。ボランティアは大いに結構です。でも薬品を供給したら代金を回収しないと大変なことになります、炊き出しをおこなうのとはわけが違います。

患者に薬品を供給するために関係機関に掛け合い、了承をえるためにかなりの労力と時間を使いました。うんざりしたことを覚えています。私だって、混乱の中で無駄な感情の起伏に翻弄されて疲弊するよりも、家族のそばにいたかったですから(T . T)

 

まあ、そんなわけで、

昨年の3月に日立市と日立薬剤師会のあいだで、「災害時の薬事に関する医療救護についての協定」が正式に結ばれたことは素直に、本当にうれしかったです。たとえ同じような災害がおきたとしても、薬剤師は系統だった活動ができますし、積極的な関与をしても、例えば薬剤を持ち出しても保障が得られます。

有事に、市民のために活動するときに、無駄な要件に悩むなんて馬鹿げていますから。この日立薬剤師会の成果は大きいと思います。

また、日立薬剤師会として地域医療協議会に参画することにより、「大規模災害事故対策訓練」にも毎回協力参加しています。

震災と切り離せなくなった原発事故を想定した「安定ヨウ素剤の事前配布」においても薬剤師会として態度を示しています。

 

言葉を選ばなければ、幸いなことに、私たちは大規模な災害の経験を少なからず、することができました。日立市だけではなく、福島の、東北の経験だって継承することができる環境にあります。

直伝のもの、横のつながりで伝わるもの、なんだって良いじゃないですか、未来に活かすことができるのなら、使いましょう。

そのためにちょっとずつ手をたずさえて、ちょっとずつ気にかけあって、薬剤師どうしでも、もっとするべきでしょ( ´ ▽ ` )ノ

だから、市民の皆さん、また薬剤師の皆さん、日立薬剤師会を是非ご利用くださいませm(_ _)m

 

平成28年度診療報酬改定の概要 – 0000115025.pdf

情報源: 平成28年度診療報酬改定の概要 – 0000115025.pdf

厚生労働省の診療報酬・調剤報酬改定説明会がおこなわれました。

詳細がわかったことと、まだ詳しくわからないこととがありますが、間違いなく今すぐ備えなければなりません。今月末の県薬剤師会の説明会で、ある程度のQ&Aも出てくるとは思いますが、決定していることも多いです。例えば調剤基本料の届け出はすべての保険薬局がおこなわなければなりませんのでご留意ください。

 

 

「かかりつけ薬剤師」の要件は以下です。

1・保険薬剤師として一定年数以上の薬局勤務経験

2・当該保険薬局に週の一定時間以上勤務

3・当該保険薬局に一定期間以上の在籍

4・研修認定の取得

5・医療に係る地域活動への参画

 

まあ、日立薬剤師会の皆様ならそんなに難しい条件ではないのではないかと思います。経験を積むのに時間がかかるのは仕方ないですが、認定の取得や地域医療への参画は、やるか、やらないかだけですから。今までやってきたことの評価を堂々と受けていただければ良いと思います。

もともと地区薬剤師会の活動は地域に貢献するためにおこなわれてきましたし、これからもそれは変わりません。利己的な行動とは対極にあるように感じる薬剤師の方もいるのかもしれませんし、自分が仕事をする上で、必要なものではないと思う方もいるのかもしれません。でも、薬剤師として地域に生かされていることに気づけば、当然の活動だと思います。

たとえ自分では何もしなくても、誰かの骨折りの恩恵にあずかることになることも多いのではないでしょうか。

 

こういったら、まあなんですが(⌒-⌒; )

この改定を機会に薬剤師会の活動に興味を持っていただき、自発的に参加してくれる薬剤師の方が増えるといいなあと思いますf^_^;

 

日立心房細動連携パスと薬剤師の役割

2月17日水曜日にホテル天地閣にて、日立医師会主催の「日立心房細動連携パス説明会」がおこなわれました。

医師の研修会なのかと思われましたが、医師会から薬剤会へも案内がきましたので、それではと、こっそりお話をうかがわせていただきました。でも、きちんと薬剤師の役割の説明もあり、なるほどと思いました。

 

まず、市内脳外科の先生より、「当院へ入院した心原性脳塞栓症患者の状況」と題して、脳塞栓症の約3割(多分;^_^A)にあたる心原性の脳卒中患者の現況についてお話がありました。心原性の脳塞栓症患者の多くはかかりつけ医をもっていること、抗凝固薬の服用には至らず、抗血栓剤の服用にとどまる患者が多いことの説明がありました。

心房細動を持つ患者には抗血栓剤は無効で、抗凝固剤の投与がどうしても必要であるという事実の確認をされました。

印象的なのはアスピリン製剤についてのお話です。アスピリン製剤は服用していても心原性の脳塞栓症には全く無効で、連用による有害事象しかおきないことのデータの説明がありました。安易なアスピリン製剤の処方は、あいまいな判断の収束であり、抗凝固薬の処方の決断を促進するためにもこの連携パスは重要な役割を果たすようです。

 

その後も抗凝固薬の処方の障害になっている、副作用の心配と患者のコンプライアンスの悪さのお話がありました。

ワーファリンは相互作用や納豆などの食事の制約、出血リスクを患者が受け入れないこと、NOACは価格が高いことがコンプライアンス低下の原因になるというお話もありました。そもそも患者は病気の自覚がないという問題もあります。

 

未治療の患者よりも、心房細動の診断を受けているのに、抗凝固剤の処方を受けずに病気を発症する患者が一定数いる状況を打破するために「日立心房細動連携パス」をたちあげるというながれです。

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市内のかかりつけ医は、心房細動の患者を循環器科がある病院に紹介して、こまめな検査と管理においてワーファリンまたはNOACの導入をして、後に自院に戻ってもらう、継続的な抗凝固剤の処方をおこなうための連携づくりが目的です。これは抗凝固薬の導入時の副作用の懸念や患者のコンプライアンスの向上において、専門医が介入することによる問題の解消を得られるもので、結果的に救われる患者の数を増やすことになります。

連携パス実施の際には、ワルファリンカリウムかNOACかを患者の背景を含めて紹介することもできるようにするとのことです。つまり、かかりつけ医から患者の服用薬についての希望の伝達もおこなわれ、尚且つ、患者の年齢、腎機能などを考慮した薬剤の選択の支援もされます。高額な薬を固辞する患者にはワルファリンカリウムの導入もあり得るし、服用コンプライアンスがしっかりしている患者はNOACの導入も早期に可能としての加療とか、ワルファリンカリウムとNOACの相互の切り替え時の紹介受け入れとか、判断の連続と連携を病院間でおこなってゆくことになります。

 

 

それでは、薬剤師の役割はというと

一番にもとめられるのは服薬指導において、NOACなら怠薬をさせないための工夫や、ワーファリンなら服用における相互作用の注意になるわけです。特に医師の先生方はNOACの服用管理が悪い患者が存在する現実と遭遇する事例をもって、薬剤師にはしっかり働いてもらいたいと願っています。ワーファリンからNOACに切り替わった患者が服用をしないでいる頻度が多ければ、まさに命にかかわるリスクが大きくなるわけです。

 

そして、これ「心房細動連携パスシート」です

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「日立心房細動連携パス」のツールにお薬手帳が利用されることになりました( ´ ▽ ` )ノ

このシートはシール紙になっていて1枚はお薬手帳の1ページに入るサイズになっています。お薬手帳ですから、患者の服用薬についての項目はこのシートに含まれません。

患者がお薬手帳を、かかりつけ医から専門医へ、または専門医からかかりつけ医へ繋ぐことによって、連携パスが成り立つシステムです。

このシートには薬剤師の記入欄もあります、患者の服用状況について必要なことは記載しなくてはなりません。患者の命を守るために、薬剤師も最大限の誠意をもって医療に参画しなければならないし、それを求められています。

そして、原点に帰って、お薬手帳の重要性を啓蒙してゆくのも役割のひとつなのだと思います。電子お薬手帳が取り沙汰される今日この頃ですが、やはりアナログのツールの必要性と重要性を再認識させられた出来事でもあります。

医師が連携のツールに選んだのはアナログの、手に取れる手帳であることをしっかり胸に刻み、今後の薬局のあり方を模索してゆく必要があるのではないでしょうか。

安易なデジタルのルーチンに陥ってしまう日常から、やはり人間構造の根本であるアナログまたは、複雑機械である生物としての混沌なる表現である乱筆による文字を、書くことが必要ではないかと思うわけですよ( ̄▽ ̄)

 

 

とりとめのないまとめですみませんm(_ _)m