麻薬や覚せい剤、大麻など法律で規制された禁止薬物があります。禁止薬物は個人にも社会にも多大な悪影響を与えることから法律で厳しく規制されています。規制されているので禁止薬物を使用すると、反社会的で個人の健康にも重大な悪影響があるということが理解されているともいえます。
ここでは、安易に手を出してしまいがちな「脱法ハーブ」や「合法ドラッグ」などの呼称で社会に登場する「危険ドラッグ」について考えてみたいと思います。
脱法ハーブや合法ドラッグは有毒で危険な薬物です
「合法ドラッグ」「脱法ハーブ」などと称して販売されるため、あたかも身体影響がなく、安全であるかのように誤解されていますが、大麻や麻薬、覚醒剤などと同じ成分が含まれており、大変危険で違法な薬物です。
危険ドラッグには、既に規制されている麻薬や覚醒剤の化学構造を少しだけ変えた物質が含まれており、体への影響は麻薬や覚醒剤と変わりません。むしろ化学構造を少しだけ変えて合成されることにより毒性を増している可能性もあります。麻薬や覚醒剤より危険な成分が含まれていて、摂取することにより急性中毒死に陥ったり、重大な事故や事件を引き起こすことになります。 実際に危険ドラッグの摂取による死亡事故や錯乱状態での殺傷事件、交通死亡事故などが起きています。このような薬物を使用することは反社会的な行為で、許されることではありません。自己責任の範疇ではないのです。
危険ドラッグのパッケージは偽装されて、かっこいいというイメージを与えます
危険ドラッグは、法の網をくぐりぬけるために「お香」「バスソルト」「ハーブ」「アロマ」など、一見しただけでは人体摂取用と思われないよう目的を偽装して販売されています。色や形状も様々で、粉末・液体・乾燥植物など、見た目ではわからないように巧妙に作られています。
デザインされたパッケージやカラフルな液体は、危険な薬物に見えないため、キレイ、かっこいいという印象を持ってしまいますが、中身は植物や天然由来のものではなく、売っている者も内容がわからない恐ろしい薬物です。「合法」や「安全」という言葉を信用してはいけません。
そして、いわゆる「脱法ハーブ」は、乾燥植物に、危険薬物を混ぜ込んで造ったものです。大麻などの規制薬物よりも毒性が高い可能性があるほか、商品によって含有量が異なるため、体に及ぼす影響がわからず大変危険です。料理で使う「ハーブ」やポプリ(芳香剤)ではありませんの で、だまされないようにする必要があります。
危険ドラッグの使用は反社会的な行為というだけではなく、健康を著しく損ない、生命を脅かす行為です
近頃はインターネットを利用した通信販売や気軽な転売などで、地方でも危険ドラッグを所持したり、使用して検挙される事件があります。ちょっとした好奇心や一度だけだから大丈夫といった気のゆるみが使用することにつながります。
「合法ドラッグ」や「脱法ハーブ」は一見安全な薬剤のように呼ぼれたり誤認されていますが、実体は、使用した結果、意識がなくなったり、吐き戻したり、けいれんを起こしたり、錯乱状態になったりするなどの恐ろしい薬剤です。
脳を刺激して興奮させる作用や脳を鎮める作用、幻聴や幻覚を起こす作用などがあり、「1度だけ」のつもりで使用すると、再び同じ感覚を味わいたくなり、繰り返し薬物に手を出してしまうことになります。そしてどうしても薬を手に入れたいという依存症に陥ります。たった1度の使用でも死につながる危険がある薬物ですから、連用することで著しく健康を損ないます。危険ドラッグは成分がわからないので、何が起こるのか予測不能です、絶対に手を出してはいけません。
参照・引用)
(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター:薬物乱用防止読本 薬物乱用は「ダメ。ゼッタイ。」 健康に生きよう パート24
大人が手を出さないのはもちろんのこと、青少年を危険ドラッグから守らなければなりません。若者は好奇心旺盛です、危険ドラッグが若者にとって冒険の対象になってはいけません。自分の生命を尊重し、危険ドラッグや禁止薬物に手を染めないように啓蒙・教育しなくてはなりません。
規制されていないから大丈夫と安易に思うのはとても危険です。危険ドラッグを使用することは、犯罪にもつながる行為です。危険ドラッグに手を出すことは絶対に止めましょう。
危険ドラッグの使用を勧められたり、誘われたら、きっぱり断りましょう!