「医療に係る地域活動の取組に参画していること」の疑義解釈

http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=355487&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000124651.pdf

薬剤師の皆様から関心が高い事項ですが、厚労省から疑義解釈が公表されました。あいまいな定義だったものが、具体的に示されたことになります。

でも追加で「当面の間は要件に該当する」とされた活動については、さらにあいまいな定義になってしまいました。時期が来れば価値がなくなるとでもいうような表現と受け取れますが、それでよいのでしょうか。

今だからこそ、私たち薬剤師は「かかりつけ薬剤師」の要件に振り回されないように、地域貢献の本質に立ち戻るべきではないでしょうか。

点数のためや、評価のために労を費やすことがなく、それに意義があると信じれば、たとえ評価として価値がなくても続けなくてならないと思います。利己的な価値観と一致するような活動なら、それは本質と乖離する現象として終わりを迎えることになるのではないでしょうか。

それでもまず、なにもしなければ沈むだけではあるのでしょう。浮き上がるためにはまず手を差し延べて、何かを掴むことはしなくては・・・・

平成28年度診療報酬改定の概要 – 0000115025.pdf

情報源: 平成28年度診療報酬改定の概要 – 0000115025.pdf

厚生労働省の診療報酬・調剤報酬改定説明会がおこなわれました。

詳細がわかったことと、まだ詳しくわからないこととがありますが、間違いなく今すぐ備えなければなりません。今月末の県薬剤師会の説明会で、ある程度のQ&Aも出てくるとは思いますが、決定していることも多いです。例えば調剤基本料の届け出はすべての保険薬局がおこなわなければなりませんのでご留意ください。

 

 

「かかりつけ薬剤師」の要件は以下です。

1・保険薬剤師として一定年数以上の薬局勤務経験

2・当該保険薬局に週の一定時間以上勤務

3・当該保険薬局に一定期間以上の在籍

4・研修認定の取得

5・医療に係る地域活動への参画

 

まあ、日立薬剤師会の皆様ならそんなに難しい条件ではないのではないかと思います。経験を積むのに時間がかかるのは仕方ないですが、認定の取得や地域医療への参画は、やるか、やらないかだけですから。今までやってきたことの評価を堂々と受けていただければ良いと思います。

もともと地区薬剤師会の活動は地域に貢献するためにおこなわれてきましたし、これからもそれは変わりません。利己的な行動とは対極にあるように感じる薬剤師の方もいるのかもしれませんし、自分が仕事をする上で、必要なものではないと思う方もいるのかもしれません。でも、薬剤師として地域に生かされていることに気づけば、当然の活動だと思います。

たとえ自分では何もしなくても、誰かの骨折りの恩恵にあずかることになることも多いのではないでしょうか。

 

こういったら、まあなんですが(⌒-⌒; )

この改定を機会に薬剤師会の活動に興味を持っていただき、自発的に参加してくれる薬剤師の方が増えるといいなあと思いますf^_^;

 

中央社会保険医療協議会 総会(第328回) 議事次第

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000111936.html

答申がでて、記者会見も行われ、さまざまなコメントもネットで散見されます。批判的な意見も当然ありますし、期待の声もあるようです。

 

以下、記者会見の内容から、某N経DIの記事から抜粋させていただきます

日本労働組合総連合会「患者本位の医療を確立する連絡会」委員の花井十伍氏は、調剤報酬関連の見直しやかかりつけ薬剤師が定義されたことを受けて、「今改定は言わば、何度目かの『医薬分業元年』ということになる。おそらく今回が最後の(改革の)チャンスに近いのではないかそうした意味では、保険薬局だけでなく、薬剤師全体、職能全体が正念場を迎えていると感じる。大きな期待が薬剤師にかかっている。かかりつけ薬剤師という役割が明確になったことに伴い、本来国民が利益を得られる医薬分業の姿をぜひ見せていただけることを期待している」と述べた。

ここまで

 

実感として、この記事の方が言われる「最後のチャンス」というのは言い得ているのではないかな、と思います、役割をしっかり果たせば評価されるような仕組みにみえなくもないですから。どっちにしろ、やめるのでなければ、やるしかないでしょう(^^)

 

今回の改定が業界のある層に対して重点的に厳しく評価するものである印象はやはりあります。しかし今は、薬局の開設者が個人ではなく企業であることがほとんどの時代ですから、企業や薬局ではなく、薬剤師個々人の能力が評価され、且つ求められる時代となることは必然のような気がします。また、求められている能力が保険調剤だけではないこともしっかり受け止めなくてはなりませんし、本来いわれなくてもやらねばならないことだとも思います。

 

地域の薬剤師の皆様におかれましても、自分の周囲だけ見るのではなく、広い視野を持ち、地域医療との連携や活動などに個人として積極的に加わっていただけたらと思います。薬剤師個人を磨くことが、ひいては所属する企業にも利益となるはずです。今回の調剤報酬改定にあわせた針路とも一致するのではないでしょうか(^-^)

中央社会保険医療協議会 総会(第326回) 議事次第

情報源: 0000110780.pdf

是非情報源のファイルをご覧ください。いよいよ具体的な内容が明らかになってきました次期改定ですが、なかなか大変なことになっております。

特に「かかりつけ薬剤師指導料」が具体的に示されました。数字は未定ですし、条件はとても厳しいです。しかし今までは、価値があっても評価されることがなかった地域薬剤師会の草の根の活動が、日の目をみるかもしれないという期待感があります。

pdfの90ページ記載「かかりつけ薬局指導料」における算定要件 (4)の③には、「医療に係る地域活動の取組に参画していること。(地域の行政機関や関係団体等が主催する講演会、研修会等への参加、講演等の実績)」とあります。
この「医療に係る地域活動の取組」ですが、日立薬剤師会の「お薬講座」は当然条件に当てはまるとして、他にも「薬と健康の週間」や「休日診療所の業務」なども地域活動の取組のひとつとして認められれば良いなと思ってしまいます。だって今まで頑張ってきた会員の皆様の活動が具体的に評価されることになるじゃないですか(^ ^)
地域多職種連携や勉強会の開催などと合わせて、やはり地域薬剤師会の活動が価値があるものとして評価されることになれば、さらに活発な活動が可能となるとともに、より多くの薬剤師の協力も得られるのではないかと期待もしてしまいます。

高カカオチョコレート1日25gで高血圧、コレステロール値を改善

チョコレートに含まれるカカオポリフェノールに「動脈硬化を防ぐ」「血液をサラサラにする」などの健康効果があること […]

情報源: 高カカオチョコレート1日25gで高血圧、コレステロール値を改善

まあ、この記事も話半分だと思います。

治験?をうけた高血圧群の方々の治療状況にもよるわけで、未治療の高血圧群がチョコレートで血圧のコントロールができてしまう(または高血圧が治ってしまう?)のなら、本気で臨床治験をやるべきでしょう。局地的な事例をもっともな効果としてうたうのは、やはりどうかとは思います。結局砂糖はダメなわけですけれど。

甘くないチョコレートもどうかとも思いますが、甘いチョコの食べ過ぎはやはりやめたほうが良いでしょう。

まあ、でも私はチョコレートの味方ではあるわけですがf^_^;

ストレス抑制効果は、チョコレート好きな人なら実感していますよね、きっと。

ラグビーW杯:ドーピングなし 検査結果が全て陰性

http://mainichi.jp/sports/news/20151202k0000e050227000c.html

一応 薬(薬物)の話題なので(^^;;

オリンピックを前にロシアやかつての共産圏の国のドーピングが話題になったりしていますが、その前におこなわれた世界的スポーツ大会でのおはなしです。

ドーピングが選手の健康を損ねることもありますが、やっぱりずるはかっこ悪いです。

ラグビーW杯大会期間中に日本代表選手の皆さんがピンクのTシャツを着てアンチドーピング運動の啓蒙活動をしていたのが印象的でした。

https://twitter.com/rwc15yoshi15/status/647759267802562560

ややもするとドーピングに手を染めてしまいそうなフィジカルの強度が必要なスポーツであるラグビーですが、だからこそ世界中でフェアにプレイする文化が根付いたのかもしれません。古来このスポーツは対戦相手との交歓が目的であるので、卑怯やずるを忌み嫌う伝統もあるようです。

しかし、ほんの数年前、日本国内では若いラグビー選手のうっかりドーピング(ヒゲを生やしたくてミクロゲンパスタを顔に塗布した)が発覚して選手がペナルティをうけて出場の機会をうばわれることがありました、また大麻が検知されて永久追放になった選手もいました。いずれも日本代表クラスの選手です。これは恥ずべきことでした(ずるをしたいと思ったわけでないにしろ)。

その後、選手や指導者の知識の向上もあったと思いますし、啓蒙活動も徹底されたはずです。選手自らがアンチドーピングに関心を持ち、ドーピングを排除してフェアプレイに徹する運動をしたことは素晴らしいです。

正々堂々と戦うからこそ観ている私たちは感動を得ることができました。

進化を遂げた日本の選手たちの生活態度(使用した競技場や控え室の整理清掃)や広報活動への真摯な参加、競技以外での社会活動(ボランティア活動への参画)などとあわせてフェアプレイ精神があって、そんな人たちの鍛錬した結果で披露した姿なので、素晴らしい感動的な大会になったのでしょう。自分の仕事だけこなせば、それでいいというエゴがあるうちは幸福な結果を得ることはできません。一流のスポーツ選手の姿は、私たちの生き方に示唆を与えてくれます。日本の選手のみならず、フェアであるからこそ、世界の舞台で体を削りながらプレイする世界のスーパースターの姿に人間の価値を見出すことができました。

リンクの記事に出てくる「生体パスポート」とは、選手個人の生体において、バイオマーカーを継続的に記録することにより、禁止薬物の検知が本当にドーピングにあたるのかを精査するもので、たとえばテストステロンの検知がナチュラルなものなのか、ドーピングを意図した摂取によるものなのか判別するものになるようです。選手の負担は大きいのかもしれませんが、選手を守るためにも有効だと思います。選手を守るための技術ならば歓迎したいと思います。

スポーツファーマシストがいるとして、しっかり存在を示して活躍してスポーツの価値を高め、ひいてはスポーツを応援する人たちの喜びに貢献できるのなら、薬剤師も捨てたもんじゃないのですがね( ´ ▽ ` )ノ さあ、どうするか・・・

財政制度分科会(平成27年10月30日開催)資料

情報源: PowerPoint プレゼンテーション – 01.pdf

現行の調剤報酬については 、 診療報酬本体と は別に 、 ゼロベースでの抜本的かつ構造的な見直し が必要とのこと。

キーワードはやはり「かかりつけ薬局」ですか。

かかりつけ薬局の機能評価をきちんとできる仕組みが必要だと思います。努力している薬局・薬剤師が報われることを祈ります。

 

製薬企業からの医薬品の適正使用等に関するお知らせ | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構:医薬品副作用被害救済や稀少病認定薬の研究振興調査などの業務案内。

情報源: 製薬企業からの医薬品の適正使用等に関するお知らせ | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

なにかというと、酸化マグネシウム製剤の話です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151021-00000013-asahi-soci

各紙で報道されていますので反響があると思われます。今までも注意喚起はされていましたので周知のこととは思いますが、安心して服用していただけるように具体的な注意の服薬指導が必要になると思われます。29件の副作用報告は処方量を考えると多い数ではないでしょうが、因果関係を否定できない19件に死亡例が含まれるのならば無視はできないことになるでしょうか。

ラクツロースの適用が拡がれば安心して使える代替薬になるでしょうか、現在でも一部でよく使われるようになりましたが。

処方せんなしで向精神薬など販売、業務停止-群馬の薬局、指導後に販売も (医療介護CBニュース) – Yahoo!ニュース

情報源: 処方せんなしで向精神薬など販売、業務停止-群馬の薬局、指導後に販売も (医療介護CBニュース) – Yahoo!ニュース

群馬県薬務課のサイトでは薬局名も公表されていますし、もう少し詳しい経緯も掲載されています。第三者からの通報ではなく、開設者自らの報告ということになっておりました(発覚の経緯をなんとなく想像してしまいます)。あまりにもお粗末な顛末だと思います。

医薬品の適正な使用の先導を務める自覚があるのなら、ルールを守ることは必然と理解するはずです。濫用が個人の不利益になるから規制されているのであって、例え個人を救う行為のように思えても、手順を踏まないで処方箋医薬品を供与することは見当はずれな奉仕だと思います。おおよそ3000錠弱の向精神薬を含むの販売ですけれども、金儲けのためにやったわけではないだろうとは信じたいと思います。

今日は、生活保護を悪用して多量の向精神薬を転売しているニュースもありました。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150930-00000245-sph-sociこの生活保護受給者は複数の病院から重複して処方をうけていたそうです。また薬剤を買い付けている者も薬剤転売の常習者のようです。

薬局・薬剤師が先頭にたってモラルを守らないと薬物の乱用は防げません。それは役割のはずです。明るい社会と子どもたちの未来のために、薬剤師はすべきことをなさなければなりません。

 

健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会審議会資料 |厚生労働省

情報源: 健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会審議会資料 |厚生労働省

ここのPDFファイルの資料に最終的な報告書と意見書があります。

このところ短期間に活発に会議が開かれていましたが、これが最終的な報告書になるのでしょうか。14日の会議では一般用医薬品にについて委員のあいだで意見が割れたような記事も見られましたが詳細は不明です。患者の服薬情報の一元的な管理、在宅など24時間対応、医療機関などとの連携-の3つの機能を備えることが「健康づくり支援薬局」の必須要件の様です。

患者の服薬情報の一元管理などの機能が門前薬局では発揮できないので、いわゆる「かかりつけ薬局」を認定して機能を発揮させようと言っている意見を散見しますが、服薬情報の一元管理の方法に門前薬局と病院の近くじゃない薬局とに違いがあるのでしょうか? それとも認定の「かかりつけ薬局」を指定して、処方をうけた患者を「かかりつけ薬局」に誘導する制度にするつもりなのでしょうか? 認定を受けない薬局はどうなるのでしょうか?

薬局の機能の違いは本来あってはならないと思いますが、厚労省が薬局を区別する目的があまりはっきりしません。「健康づくり支援薬局」も仮称のままですが、あらためて言われなくてもやっていることも多いですし、地域の薬剤師会としてしっかり取り組んでいる内容もあります。

本来の目的に沿った薬局の姿へは、足を前に掻くことでたどり着けるのではないでしょうか、厚労省(委員会)の理想とは違っても。止まったり後戻りをすると、どこにもたどり着けないことは間違いないのではないかと思います。もちろん薬局だけではなく薬剤師各々の問題でもあります。