公認スポーツファーマシスト認定制度 基礎講習会

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東京基礎講習会に行ってきました。

実はスポーツファーマシストの基礎講習会に出るのは2回目です(⌒-⌒; ) 基礎講習会は資格取得をする場合に1回だけ受ければよいので、2回受けることは普通ありません。講師と講習の内容はほぼ同じでした。前回は3年ほど前ですが、講習だけは受講を続けて勉強しましたが、認定を受けることはしませんでした。

あくまでも個人的な考えですが(^^;;

スポーツファーマシストなんて横文字の肩書きをつけていますが、どうなんでしょう?。ドーピングと禁止薬物については、薬剤師として使命感を感じれば自然な知識として身につくことで、薬の情報提供をおこなうのに、認定された別の資格が必要なはずはありません。要は、スポーツ選手が意図しないうっかりドーピングをさけるために、薬やサプリメントの成分に、ドーピング検査にて陽性になる物質が含まれるか否かの情報提供をするのです、調べても判断できる材料がなければ、最終的に判断できないと伝えればよいのですし、情報提供時に誤解を与えないようなコミュニケーションスキルが必要なことや、正確な情報をアップデートすることは薬剤師の業務そのものです。テキストは日本薬剤師会が作成して毎年会員に配布しています。スポーツファーマシストには、ドーピング検査を実施したり、薬の治療使用特例に関する申請書を作成したりするような権限などは全くありません。普段ドーピング検査対象のアスリートにもなかなか会わないとも思いますが(⌒-⌒; )

それでは何故、しつこく講習を受けたかというと、アンチドーピング活動には賛成なのです。アンチドーピングの啓蒙活動には協力したいですし、自分の所属する競技団体なら尚更、是非協力したいと考えています。悪意がない結果的に陥るうっかりドーピングから、選手は守られなければなりません(普段周囲にそんなアスリートはいないかもしれませんが、将来の大器はいるかもしれません^ ^)。また地域で啓蒙活動が必要だったり、学校教育の一環で必要であれば、地元の人間が対応すべきではないかと思います。そのために「スポーツファーマシスト」という認定が必要なのであれば認定を受けておくべきだろうということです、広報企画委員会もやっていますし。

2019年には茨城国体が開催されます。国体はドーピング検査の対象になる大会です。日立市も国体の会場になりますから、対応に困ることがないようにしておかなくてはならないとも思います。スポーツファーマシストも少しは市内の会員の中で増えていただけたら良いかなと思います。

うっかりドーピングを防ぐために草の根の活動というか、気軽に相談できる環境づくりのためにスポーツファーマシストは存在するのでしょう。薬局ならどこでも誰でも気軽にアンチドーピングについて相談できる環境が理想なのです、スポーツの立場からすればですが。

私は認定を受ける予定です、 今回はたぶん。気持ちを維持できれば・・・、JADAに腹をたてるようなことがなければ・・・・( ;´Д`)

 

第12回 日立三師会合同研究会特別講演会

平成27年7月17日午後6時45分開会 ホテル天地閣にて第12回日立三師会合同研究会講演会が開催されました。

まず話題として「認知症について」を日立総合病院の副院長藤田恒夫先生からお話いただきました。

あらためて世界的に高齢化社会に向かうなかで、増え続ける認知症という病気と医療・介護は戦わなければならない、今後認知症や認知症合併症による死亡率があがる未来において為すべきことは何か、というお話でした。世界的に4秒に一人の速さで認知症患者が増えているそうです、現在日本でも軽度認知障害を含めると1000万人弱の認知症患者がいるそうです。

認知症の早期発見、早期治療をしましょうと言われていますが、現在は根本的な治療法がない状況で、早期発見は早期絶望につながってしまうのではないか、とのことです。脳機能の画像診断などが進歩して早期診断は正確になってきているので、根本的な治療のためにはより早く正確な診断とより早い介入が必要だそうです。

薬剤の使用はどれも対症療法にしか過ぎないというお話が印象に残りました。藤田先生がよく使われる薬は、ドネペジル、レミニール、リバスタッチ、メマリー、抑肝散、リスパダールなどで、認知症の中核症状・周辺症状にもある程度効果が期待できますが、いずれの薬も副作用が強く出たら中止すべきとのことです。リハビリ・介護を含めた包括ケアが大切で必要なことだそうです。

科学の話題も有りました! 医療・介護の近代技術はSF映画のような領域に差し掛かり、サイバーダイン社のロボットスーツを装着すれば運動機能障害をもつ患者さんも歩くことができる時代が来るそうです。このロボットスーツは生体電位信号で動くので、脊椎が切れている人では動かないそうです。でも、ブレインマシンインターフェイスというテクノロジーが発達してきて、これは頭にセットして念じると、その念がどういう作用に変わるのかは理解できませんでしたが(ー ー;) 指を動かせるところまで研究が進んでいるそうです。すごいですね(O_O) ところが、このような素晴らしデバイスがあったとしても認知症の患者さんの助けにはならないそうです´д` ; いわゆる人間の活動を司る高次機能が障害をうけていると、やるべきことを念じることができないわけです。神経科学のさらなる発展に期待したいということでした!

まとめとしては、近い将来に認知症や認知症合併症のための死亡率が上昇するにあたり、終末期医療のあり方を考えて、EOLC(End of Life Care)チームの育成をしていかなればならないとのことです。包括ケアのチームでは薬剤師も是非活躍したいと思います!

 

そして特別公演「認知症の食べることの問題」を菊谷武先生(日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長)からお話いただきました。

菊谷先生のクリニック(クリニックといっても歯科医は20人いて、1日100人以上の患者さんを診て、月に一人で150人の在宅診療をおこなっているそうです!)では主に摂食と嚥下についての治療に重きをおいて行っているそうです。なにしろ在宅患者はほぼ認知症だそうです。

認知症と診断を受けたら、まず歯科に紹介すること!というお話がありました。認知症の方は歯磨きという複雑なプロセスを実行することが困難になること、認知症の進行とともに口を開けることができなくなることなどから、口腔内環境は悪化の道をたどり、結果歯の脱落なども起こして咀嚼嚥下の障害につながってしまいます。だから、認知症と診断されたら、まず歯科にかかり、突貫でもよいので口内の整備をしておく必要があるそうです。なるほど!

認知症患者の食に関する問題点は、口を開かなくなる、いつまでも噛んでいる、スプーンを噛む、食べようとしない、食べ物を口に溜め込む、ことがあるそうです。これは先行期障害にもとづく摂食行為の異常がみとめられること、緩徐に進行する運動機能の障害が影響すること、前頭葉障害による原始反射が再現することなどが原因というか特徴だそうです。(原始反射とは、赤ちゃんがおっぱいや指を反射的に吸ったり、顎を動かしてもぐもぐ食べることを自然に行うことだそうで、認知症により再現するそうです。)認知症患者の自発的な食事の訓練は難しく、環境改善的アプローチで対応することが主体だそうです。

また、記憶障害に伴う食事の問題点もあります。食べたことを忘れる、次の食事がいつかわからないこと。意味記憶障害により食具の使用法がわからなくなりスプーンや箸が使えない、または逆に、手続き記憶の保持によって箸を上手に使うことだけができる(車の運転にも同じ現象がみられることがあります(O_O))、箸を使えても咀嚼や嚥下ができずに誤嚥や窒息の事故につながることもあるそうです。

見当識障害があると、食べ物を食べ物とわからなかったり、ぬいぐるみを食べてしまうなどの異食がおこることがあるそうです。また実行機能障害という、目的を持った一連の行動ができない障害があると(食べ物を口に入れて噛んで、移動させて、すり潰して、集めてまとめて飲み込むことができない)、嚥下機能は年齢相応にある人でも、食事の順序だてができずに早食い(尋常じゃない早さ!)、またはつめ込みが起こり肺炎や窒息などの摂食事故につながるそうです。日本そば(そば、薬味、つゆ、わさび、海苔などが何を意味するのかわからず、もちろん作法などわかるすべもない、食べ物にさえ見えていないこともあるそうです)を例にお話をされました。

認知症患者の食事をどうすればよいか。口内の環境がよくないまま推移すれば、やはり固い食べ物を口に入れるのは危険だそうです。でも完全な介助をするまえにできることはあるそうです。認知症患者は食事の手順がわからず、食事がはじめられない状態になっています。食事の手順で行動提示を行うそうです。方法は同じ動作をして見せることだそうです、また最初の行動のうながしが大切で、スプーンをもつ手を介助する方が一緒にもって、手を持ったまま食事を口に運ぶ動作を続けることも効果があるそうです。

それから情報過多がいけないそうで、視野に入る情報・耳に入る情報を制限することは必要だそうです、テレビや猥雑な環境に注意です。情報を制限してシンプルにすること、それは食事を一度に出さずに順にお膳することで目の前の菜をシンプルに食べることなどが効果的だそうです。食器もシンプルなものがよく、陶食器などの柄や模様が食べもに見えるそうです、空のお茶碗をいつまでも持って、箸で絵柄を掻いている動画を観ました。白い茶碗に入った白いご飯よりも漆椀にはいった白いご飯の方が食べやすいそうです(写真でもコントラストがくっきりしてました)。

また、お茶碗やお皿がたくさんあるお膳よりもどんぶりものの方が食べやすい傾向は間違いなくあるそうです(写真では色々なおかずをご飯にのせていました、ロコモコ丼みたいなものもよいのかも)。そして、食具の使用が難しいのですから、手に持って食べられるものは嚥下の負担にならないものなら、食べられるものが多いそうです、サンドウィッチ、おにぎり、ちくわなど。

なにしろ食べもに「力」があることが大切だそうです。味はメリハリがありしっかりパンチがある方が好まれます。温度も暖かいか冷たいかはっきりしていた方がよいそうです。見た目もパンチ力が必要でハッキリ食器と区別がつくものがよいです。

そうするとカレーライスがベストオブ献立になるそうです!完食率が高いそうです!私も歳をとりすぎても食べたい食べ物のひとつなのでよかった( ^ω^ )

もうひとつ認知症の食の問題では、特にレビー小体型認知症で多いそうですが、幻視による摂食障害があるそうです。ご飯のごま塩が蟻に見えたり、蛇が食器の間をうねっていたりするそうです。

摂食・嚥下で一番の問題は不慮の事故です。不慮の窒息事故で亡くなる方は不慮の交通事故で亡くなる方の倍になるそうです。主に介護老人施設でおこる窒息事故で、どのような人が事故に至るかというと、臼歯部咬合がない、認知機能障害がある、そしてもう一つの条件として食事が自立していることがあるそうです。食事の自立で大切なことは、自分でどのくらい食べたのか?ではなく、自分でどうたべたのか?だそうです! 歯がなくて咀嚼ができないとそのまま飲み込みますので窒息につながるそうです。

咀嚼力=咬合支持×口の力強さ・巧みな動き×認知機能

私たち薬剤師も、特に在宅訪問の現場で患者さんの体調チェックの一環として口内環境チェックや食事の取り方の確認など、できることはありそうです。とてもすばらしい講演を拝聴できてよかったです。

講演会の後に懇親会がありましたが、我が薬剤師会の会長と、医師会会長と歯科医師会会長が次回11月の三師会合同研究会講演会について何やら相談していたようです(⌒-⌒; )

がんばりましょう!

平成27年度第1期薬学生課題発表会が行われました

平成27年度薬学生課題発表会が行われました。

日立地区では今期3名の学生さんが実務実習を行っています。

5月11日から11週間の長丁場の実習です。あと1週間位残っています。今は薬剤師になるためには6年間学校に通わなければなりません。今回の実習も必須項目となっています。今回の実習が終わってからも病院で11週間の実習が待っています。自分の時代からするととても大変だなぁとつくづく考えてしまいます。

今日は実習中に感じた事2015-07-16 20.43.53や成果等をパワーポイントにまとめて発表をしてもらいました。

今回は健康食品について、小児の漢方の服薬について、調剤報酬についての発表がありました。実習を行っている薬局の特徴が出ていて良かったのではないかと思いました。フロアからも質問が数多く出て、活発な発表会が行われたと思います。

これから将来を担う薬剤師が誕生する為に地区の薬剤師が協力していかなければならないと改めて感じました。そして学生さんには素晴らしい薬剤師になって日立に帰ってきてくれる事を期待したいと思います。

健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会 |厚生労働省

情報源: 健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会 |厚生労働省

厚労省が国の方針として薬局に求めるものは、あるいは社会が薬局に求めるものと合致しているのかもしれません。しかし、ただ言われるままにやることが正解とも思えません。それでも停滞や後退をしていてはいけないことは間違いありません。健康情報拠点薬局を必ずしも目標とはしないとしても、前に進むために考えて行動することは必要です。地域の薬剤師会は、薬局の未来像と地域社会に貢献するために活動しています、ご理解ご協力を宜しくお願い申し上げますm(_ _)m

今年度最初の広報企画委員会を開催しました

参加した委員の皆様、昨日は遅くまでご苦労様でした。また、様々意見をいただきありがとうございますm(_ _)m

今年度の活動の方向性がみえたので良かったと思います、今後とも宜しくお願いいたします。会議の中で具体案が得られたことはすぐに実行しようと思いますのでご協力をお願いいたしますm(_ _)m

会議報告書は以下のようになります、様式は会員のページにありますのでご利用ください。

1 会議等名称 広報企画委員会
2. 日時 2015年 7月 7日 19:30~ 21:10
3. 会場 NPO法人インパクト 会議室
4. 主催者名 大曽根洋子
5. 主な出席者 大曽根洋子、鈴木勝俊、安部精一、小室晶子、阿内一彦
岩崎健一、菊池孝徳、小橋川祥、戸倉憲子、石川恵
影山忠雄、髙橋晃太郎
6. 議題等
1) 広報企画委員会概要
2) お薬出張講座
3) ラジオ出演講師
4) ホームページコンテンツの充実
5) その他
7. 内容・結果等
●広報企画員会は薬剤師と薬局を社会と市民にアピールするための企画・活動をする。
●委員会運営にあたり新たな人材の発掘育成も目的とする。
●今年度もお薬出張講座は順調に開催できている。
●課題は講師というより、講義内容について日立薬剤師会として見識をもった内容とすること。
●新たに講師をする方は他の講師の講座を積極的に膨張することが勉強になる。
●ラジオについてはテーマを決めて講師を選ぶのがよいのでは。アンチドーピングなど。
●ホームページコンテンツの充実。各会員のブログへの投稿に期待。
●コンテンツ:地域医療・在宅医療のコンテンツの充実。「お薬のはなし」の発展。
●キッズ職業体験については実施は未定だが、依頼への対応はして参加する。
●次回委員会までは、各テーマに向けて個別に相談しながら事業をすすめる。
8. 費用請求額 (請求書または領収書添付の通り)
出席(活動)時の肩書 委員
報 告 者 氏 名 髙橋晃太郎
会 長 確 認 印 鈴 木 勝 俊

薬物乱用防止教室で講演をして来ました。

7月3日、市内の小学校で薬物乱用防止教室で講演をしてきました。

この小学校の学校薬剤師が時間の関係で講義できないというのでピンチヒッターとして行ってきました。

当日は小学校5年生約60名とその保護者の方々約20名が話を聞いてくれました。小学校の児童の前で話をするのでなるべく分かりやすい言葉を選んで話をしました。子供たちは約50分間真剣に話を聞いてくれました。クイズ大会でもきちっと手を挙げてくれました。大人にはあまり見られない態度に少し感動すら感じました。

覚せい剤や麻薬など、最初の1回をしない事が非常に大事だし、今のうちに薬物の怖さや誘惑を断る術を知っておくことがこれからの長い人生、輝かしい未来を守っていくことにつながるのではないだろうか。

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