第156回県北薬剤師勉強会

平成27年8月7日金曜日に開催されました。

「心房細動と抗凝固療法-臨床薬理学的視点から考える-」東京女子医科大学病院 循環器内科 准教授 志賀剛先生のご講演です。

循環器内科の先生から抗凝固療法の最新のお話が聞けました。心房細動患者の合併症である脳卒中を防ぐために臨床薬理学的視点からみた考察です。

非弁膜症性心房細動と血栓塞栓症の関係、抗凝固療法と大出血リスクの問題で、新しい薬NOACを用いた時に実臨床では十分なデータがなく、ケースバイケースで診療が行われているという枕詞から始まりました。つまりは、検証的試験で得られたデータは実臨床では当てはまることはなく、リアルワールド(個別化治療)を求めていくというのです。

まず、心原性脳梗塞はアテローム血栓性梗塞とラクナ梗塞とともに脳梗塞の3分の1を占める疾患ですが、他の脳梗塞に比べて重症になる確率が高く罹患した患者の60%は元の生活に戻れないそうです(他の脳梗塞は同じ重症度では18〜25%とのことです)。だから抗凝固療法は重要になるわけですが、抗凝固療法はどういった患者に必要かというお話がありました。

志賀先生は主にCHADS2スコアという評価方法点数化して抗凝固療法が必要な患者を洗い出します。大雑把にいうと、○心不全があるか、○高血圧があるか、○年齢が75歳以上か、○糖尿病はあるか、○脳卒中の既往があるか(各1点ではなかったです^^;)、という項目を点数化して患者に当てはめるのです。CHADS2スコアが2点以上の患者で抗凝固療法が有用という評価になるそうです。このスコアが2点とはどういうことかというと年率で100人に4人に脳梗塞が起こるということで発症年率が4%ということだそうです。つまりCHADS2スコアが2点では確実に脳梗塞になる人が4%いるわけで治療の有用性があると判断されるわけですが、治療をしなくても脳梗塞にならない確率の方が高いわけです(これ、間違った理解をすると怠薬や自己判断の服用中止につながりそうです、ほっておけば病気になる可能性はどんどん高くなるのですから服用しなくていけません)。だから大出血などの致命的なリスクがあってはならないというわけです。

CHADS2スコアの評価項目にあるリスクにより脳梗塞の発症率が高くなるのは、動脈硬化が結果として起きることが大きな要因で、血小板が活性化し てなおかつフィブリンと いう凝固タンパクが増えます、そして心房細動がおこり血栓ができてしまうと、河川の淵で水流が滞り土砂がたまるように、河川の流れに例えられるような形状の血管内では、血流の淵ができて土砂の堆積のように血栓がどんどんたまるのだそうで す。

他にもCHA2DS2-VASCスコアというCHADS2スコアよりもさらに細分化された脳卒中発症リスクの計算方法も紹介されましたが、大雑把にいうと(-。-;実際には病歴がない人も含めてCHADS2スコアが2点に満たない人がピラミッドの階層の底になるわけで、数が1番多いわけです、数が多いので脳卒中の発症する患者の数も相対的に多くなるということで、そのスコアの低い人たちの中で発症する患者を評価して治療しようということです。それでそのCHA2DS2-VASCスコアで2点と評価された人が抗凝固療法が有用になるのですが、このスコアの2点というは先の発症年率でいうと2.2%ということですから、やっぱり副作用のない治療でなければならないわけです。いかにデメリットを減らすか、出血のリスクを減らさなければ抗凝固療法は成り立たないわけです。

抗凝固療法と大出血リスクにおいて、ワーファリンの治療域を見た時に欧米ではPTINRが3.0までが基準ですが、日本人では2.6を越えると出血が多くなるのだそうです、つまり日本人は欧米人に比べて脳卒中のリスクが高いわけです。それで日本のワーファリンのガイドラインではPTINRは1.5〜2.5とされているわけです。しかし志賀先生はガイドラインを超えて個別に数値を判断する必要もあるのではないかともお話されました。先のCHA2DS2-VASCスコアが2点の治療対象者にもしワーファリンを使うのであれば、CHADS2スコアが高い治療対象者と同じガイドラインで判断すべきではないのではないかという様なことでした。リアルワールドの話につながりますね。また、HAS-BLEDスコアという抗凝固療法を行う心房細動患者における、重大な出血事象の発現リスクを評価する方法もご紹介いただきました。そして印象に残ったのは抗血小板剤の併用が出血リスクをかなりあげるということでした。

NOACsのガイドラインについてのお話がありました、治験(RCT)で得れたデータをもとにしたガイドラインはコンプライアンスが良好な状況下でしかないわけで、十分なスクリーニングもされていない云々・・・^^;。なので、ガイドライン通りのままではリアルワールドの臨床は行えないとのことでした。それではいかに安全でかつ有効にNOACSを使うかというと、臨床薬理学的視点が必要になるのだそうです。

ワーファリンとNOACsの薬物動態学的特徴が個別化治療をするうえでの判断に必要となるものです。例えば腎障害がある患者ではワーファリンよりNOACsの方が影響は大きいわけです。併用薬の影響も受けます、NOACsも数は今の所限られますが重大な相互作用を起こす薬剤があります。血中濃度が高くなると大出血のリスクが高くなるのはどちらも同じですが、ワーファリンはPTINRを測定することで凝固能を定量できるという安心感があるようです。NOACsは併用で作用が増強される薬剤もさることながら、リファンピシンの様に併用で効果がなくなる薬剤がある方が大きな問題であるとのことです。ワーファリンであれば相互作用がある薬剤と併用しなくてはならない時にPTINRをみながら薬剤の量を調整して投与することが可能ですが、NOACsの場合、相互作用を定量評価が全くできないのでどうなるかわからないのだそうです。

「薬はのまないと効かない」という格言(?)を引き合いに、ワーファリンを新規導入した心房細動患者の4分の1の方が1年以内に治療をやめてしまうことをからめて、服用遵守に対する用語、コンプライアンスからアドヒアランスへの概念の変化についてもお話いただきました。ワーファリンをやめてしまう患者は、若く、CHADS2スコアが低いかたで(病気の自覚が足りない人なのかな^^;)INRのコントロールも不良でコンプライアンスが低いとのことです。コンプライアンスとは医療では上から目線の行為ですが、ならばコンプライアンスが悪くても、患者主体の概念を持つアドヒアランスはどうなのか?とうことでした。

そしてワーファリンと作用が同等以上で副作用が少ないと検証されたNOACにアドヒラランスが向上することが期待されたのです・・・・

しかし結局の話、ワーファリンと比べてNOACsはアドヒアランスの向上に寄与しなかったそうです。志賀先生の病院ではNOACsを服用した患者の方が皮下出血や胃腸障害(むかつきなど)を起こすことが多く、本来服用中止になり得ない事象が理由で患者は治療をやめてしまうのだそうです(なぜ有害事象がワーファリンに比べてNOACsの方が気になる結果に至るのかはよく理解できませんでしたが、服用当初の服薬指導というか、変な言い方だけれど治療開始時の気軽さみたいなものが関係あるのかもしれないとは思いました。薬剤師が果たす役割が大きいのではないでしょうか)。途中で服用をやめてしまうと、服用を継続しているよりも6〜25倍も血管イベントが増えるそうですので大問題です、これはワーファリンでもNOACsでも同じリスクです。

抗凝固療法をやめてしまった人の8割は「自分は脳梗塞は起こさない」と思っているそうです。そして同じく5割の人は薬に対する不満(飲みにくい、副作用がある)を持っているそうです。患者の立場に立ってみると、どんな薬が良いか。1日1回服用が良い、副作用が少ない(胃のむかつきが起きない)などが求められるとのことです。

元々ワルファリンカリウムの大出血のリスクを回避できるNOACsだったはずですが、抗血小板剤の併用時には大きな出血のリスクもあるそうです。相互作用がある薬剤の併用があったとしても作用の評価ができるワーファリンの方が信頼して投与できる場面もあるとのことです。臨床のリアルワールドでは杓子定規なガイドラインは通用しない、患者個別に治療、投薬の選択をしていかなければならないということでした。患者の年齢、高齢患者の性別、脳卒中の既往、腎障害、抗血小板剤の併用、相互作用、ワーファリンとPTINR、大出血のリスク、薬物動態から考えられる問題(バイオアベイラビリティ、腎排泄率、代謝など)、そして患者さんの気持ち。

今講演の結論にもなっていますが、患者さん一人一人にとってBestな薬剤が選択されるためにアドヒアランスの問題を解決しなくてはなりません。それは薬剤師が役割を果たすときだとも思います。

第12回 日立三師会合同研究会特別講演会

平成27年7月17日午後6時45分開会 ホテル天地閣にて第12回日立三師会合同研究会講演会が開催されました。

まず話題として「認知症について」を日立総合病院の副院長藤田恒夫先生からお話いただきました。

あらためて世界的に高齢化社会に向かうなかで、増え続ける認知症という病気と医療・介護は戦わなければならない、今後認知症や認知症合併症による死亡率があがる未来において為すべきことは何か、というお話でした。世界的に4秒に一人の速さで認知症患者が増えているそうです、現在日本でも軽度認知障害を含めると1000万人弱の認知症患者がいるそうです。

認知症の早期発見、早期治療をしましょうと言われていますが、現在は根本的な治療法がない状況で、早期発見は早期絶望につながってしまうのではないか、とのことです。脳機能の画像診断などが進歩して早期診断は正確になってきているので、根本的な治療のためにはより早く正確な診断とより早い介入が必要だそうです。

薬剤の使用はどれも対症療法にしか過ぎないというお話が印象に残りました。藤田先生がよく使われる薬は、ドネペジル、レミニール、リバスタッチ、メマリー、抑肝散、リスパダールなどで、認知症の中核症状・周辺症状にもある程度効果が期待できますが、いずれの薬も副作用が強く出たら中止すべきとのことです。リハビリ・介護を含めた包括ケアが大切で必要なことだそうです。

科学の話題も有りました! 医療・介護の近代技術はSF映画のような領域に差し掛かり、サイバーダイン社のロボットスーツを装着すれば運動機能障害をもつ患者さんも歩くことができる時代が来るそうです。このロボットスーツは生体電位信号で動くので、脊椎が切れている人では動かないそうです。でも、ブレインマシンインターフェイスというテクノロジーが発達してきて、これは頭にセットして念じると、その念がどういう作用に変わるのかは理解できませんでしたが(ー ー;) 指を動かせるところまで研究が進んでいるそうです。すごいですね(O_O) ところが、このような素晴らしデバイスがあったとしても認知症の患者さんの助けにはならないそうです´д` ; いわゆる人間の活動を司る高次機能が障害をうけていると、やるべきことを念じることができないわけです。神経科学のさらなる発展に期待したいということでした!

まとめとしては、近い将来に認知症や認知症合併症のための死亡率が上昇するにあたり、終末期医療のあり方を考えて、EOLC(End of Life Care)チームの育成をしていかなればならないとのことです。包括ケアのチームでは薬剤師も是非活躍したいと思います!

 

そして特別公演「認知症の食べることの問題」を菊谷武先生(日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長)からお話いただきました。

菊谷先生のクリニック(クリニックといっても歯科医は20人いて、1日100人以上の患者さんを診て、月に一人で150人の在宅診療をおこなっているそうです!)では主に摂食と嚥下についての治療に重きをおいて行っているそうです。なにしろ在宅患者はほぼ認知症だそうです。

認知症と診断を受けたら、まず歯科に紹介すること!というお話がありました。認知症の方は歯磨きという複雑なプロセスを実行することが困難になること、認知症の進行とともに口を開けることができなくなることなどから、口腔内環境は悪化の道をたどり、結果歯の脱落なども起こして咀嚼嚥下の障害につながってしまいます。だから、認知症と診断されたら、まず歯科にかかり、突貫でもよいので口内の整備をしておく必要があるそうです。なるほど!

認知症患者の食に関する問題点は、口を開かなくなる、いつまでも噛んでいる、スプーンを噛む、食べようとしない、食べ物を口に溜め込む、ことがあるそうです。これは先行期障害にもとづく摂食行為の異常がみとめられること、緩徐に進行する運動機能の障害が影響すること、前頭葉障害による原始反射が再現することなどが原因というか特徴だそうです。(原始反射とは、赤ちゃんがおっぱいや指を反射的に吸ったり、顎を動かしてもぐもぐ食べることを自然に行うことだそうで、認知症により再現するそうです。)認知症患者の自発的な食事の訓練は難しく、環境改善的アプローチで対応することが主体だそうです。

また、記憶障害に伴う食事の問題点もあります。食べたことを忘れる、次の食事がいつかわからないこと。意味記憶障害により食具の使用法がわからなくなりスプーンや箸が使えない、または逆に、手続き記憶の保持によって箸を上手に使うことだけができる(車の運転にも同じ現象がみられることがあります(O_O))、箸を使えても咀嚼や嚥下ができずに誤嚥や窒息の事故につながることもあるそうです。

見当識障害があると、食べ物を食べ物とわからなかったり、ぬいぐるみを食べてしまうなどの異食がおこることがあるそうです。また実行機能障害という、目的を持った一連の行動ができない障害があると(食べ物を口に入れて噛んで、移動させて、すり潰して、集めてまとめて飲み込むことができない)、嚥下機能は年齢相応にある人でも、食事の順序だてができずに早食い(尋常じゃない早さ!)、またはつめ込みが起こり肺炎や窒息などの摂食事故につながるそうです。日本そば(そば、薬味、つゆ、わさび、海苔などが何を意味するのかわからず、もちろん作法などわかるすべもない、食べ物にさえ見えていないこともあるそうです)を例にお話をされました。

認知症患者の食事をどうすればよいか。口内の環境がよくないまま推移すれば、やはり固い食べ物を口に入れるのは危険だそうです。でも完全な介助をするまえにできることはあるそうです。認知症患者は食事の手順がわからず、食事がはじめられない状態になっています。食事の手順で行動提示を行うそうです。方法は同じ動作をして見せることだそうです、また最初の行動のうながしが大切で、スプーンをもつ手を介助する方が一緒にもって、手を持ったまま食事を口に運ぶ動作を続けることも効果があるそうです。

それから情報過多がいけないそうで、視野に入る情報・耳に入る情報を制限することは必要だそうです、テレビや猥雑な環境に注意です。情報を制限してシンプルにすること、それは食事を一度に出さずに順にお膳することで目の前の菜をシンプルに食べることなどが効果的だそうです。食器もシンプルなものがよく、陶食器などの柄や模様が食べもに見えるそうです、空のお茶碗をいつまでも持って、箸で絵柄を掻いている動画を観ました。白い茶碗に入った白いご飯よりも漆椀にはいった白いご飯の方が食べやすいそうです(写真でもコントラストがくっきりしてました)。

また、お茶碗やお皿がたくさんあるお膳よりもどんぶりものの方が食べやすい傾向は間違いなくあるそうです(写真では色々なおかずをご飯にのせていました、ロコモコ丼みたいなものもよいのかも)。そして、食具の使用が難しいのですから、手に持って食べられるものは嚥下の負担にならないものなら、食べられるものが多いそうです、サンドウィッチ、おにぎり、ちくわなど。

なにしろ食べもに「力」があることが大切だそうです。味はメリハリがありしっかりパンチがある方が好まれます。温度も暖かいか冷たいかはっきりしていた方がよいそうです。見た目もパンチ力が必要でハッキリ食器と区別がつくものがよいです。

そうするとカレーライスがベストオブ献立になるそうです!完食率が高いそうです!私も歳をとりすぎても食べたい食べ物のひとつなのでよかった( ^ω^ )

もうひとつ認知症の食の問題では、特にレビー小体型認知症で多いそうですが、幻視による摂食障害があるそうです。ご飯のごま塩が蟻に見えたり、蛇が食器の間をうねっていたりするそうです。

摂食・嚥下で一番の問題は不慮の事故です。不慮の窒息事故で亡くなる方は不慮の交通事故で亡くなる方の倍になるそうです。主に介護老人施設でおこる窒息事故で、どのような人が事故に至るかというと、臼歯部咬合がない、認知機能障害がある、そしてもう一つの条件として食事が自立していることがあるそうです。食事の自立で大切なことは、自分でどのくらい食べたのか?ではなく、自分でどうたべたのか?だそうです! 歯がなくて咀嚼ができないとそのまま飲み込みますので窒息につながるそうです。

咀嚼力=咬合支持×口の力強さ・巧みな動き×認知機能

私たち薬剤師も、特に在宅訪問の現場で患者さんの体調チェックの一環として口内環境チェックや食事の取り方の確認など、できることはありそうです。とてもすばらしい講演を拝聴できてよかったです。

講演会の後に懇親会がありましたが、我が薬剤師会の会長と、医師会会長と歯科医師会会長が次回11月の三師会合同研究会講演会について何やら相談していたようです(⌒-⌒; )

がんばりましょう!

健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会 |厚生労働省

情報源: 健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会 |厚生労働省

厚労省が国の方針として薬局に求めるものは、あるいは社会が薬局に求めるものと合致しているのかもしれません。しかし、ただ言われるままにやることが正解とも思えません。それでも停滞や後退をしていてはいけないことは間違いありません。健康情報拠点薬局を必ずしも目標とはしないとしても、前に進むために考えて行動することは必要です。地域の薬剤師会は、薬局の未来像と地域社会に貢献するために活動しています、ご理解ご協力を宜しくお願い申し上げますm(_ _)m

今年度最初の広報企画委員会を開催しました

参加した委員の皆様、昨日は遅くまでご苦労様でした。また、様々意見をいただきありがとうございますm(_ _)m

今年度の活動の方向性がみえたので良かったと思います、今後とも宜しくお願いいたします。会議の中で具体案が得られたことはすぐに実行しようと思いますのでご協力をお願いいたしますm(_ _)m

会議報告書は以下のようになります、様式は会員のページにありますのでご利用ください。

1 会議等名称 広報企画委員会
2. 日時 2015年 7月 7日 19:30~ 21:10
3. 会場 NPO法人インパクト 会議室
4. 主催者名 大曽根洋子
5. 主な出席者 大曽根洋子、鈴木勝俊、安部精一、小室晶子、阿内一彦
岩崎健一、菊池孝徳、小橋川祥、戸倉憲子、石川恵
影山忠雄、髙橋晃太郎
6. 議題等
1) 広報企画委員会概要
2) お薬出張講座
3) ラジオ出演講師
4) ホームページコンテンツの充実
5) その他
7. 内容・結果等
●広報企画員会は薬剤師と薬局を社会と市民にアピールするための企画・活動をする。
●委員会運営にあたり新たな人材の発掘育成も目的とする。
●今年度もお薬出張講座は順調に開催できている。
●課題は講師というより、講義内容について日立薬剤師会として見識をもった内容とすること。
●新たに講師をする方は他の講師の講座を積極的に膨張することが勉強になる。
●ラジオについてはテーマを決めて講師を選ぶのがよいのでは。アンチドーピングなど。
●ホームページコンテンツの充実。各会員のブログへの投稿に期待。
●コンテンツ:地域医療・在宅医療のコンテンツの充実。「お薬のはなし」の発展。
●キッズ職業体験については実施は未定だが、依頼への対応はして参加する。
●次回委員会までは、各テーマに向けて個別に相談しながら事業をすすめる。
8. 費用請求額 (請求書または領収書添付の通り)
出席(活動)時の肩書 委員
報 告 者 氏 名 髙橋晃太郎
会 長 確 認 印 鈴 木 勝 俊

【トヨタ女性役員逮捕】隠蔽工作か 小包「ネックレス」として輸入 錠剤を3カ所に分散 – 産経ニュース

麻薬オキシコドンの錠剤を密輸したとして、麻薬取締法違反容疑でトヨタ自動車の常務役員、ジュリー・ハンプ容疑者(55)が逮捕された事件で、小包は「ネックレス」の品目…

情報源: 【トヨタ女性役員逮捕】隠蔽工作か 小包「ネックレス」として輸入 錠剤を3カ所に分散 – 産経ニュース

この事件は、アメリカのサイトの記事を読むと、オキシコドンは関節炎などでも重度の疼痛であれば処方できるようなことが書いてあり、一般的な処方薬であるらしいです。日本が欧米諸国よりも医薬品の規制で遅れているようなニュアンスの報道です。国際宅配便で送付したのも親戚とのことではあります。

この人も慢性疼痛で服用していただけなのかもしれません、痛みに苦しんでいる人は身近にも確かにもいるとは思います。

しかし、オキシコドンの濫用が原因のひとつで亡くなったマイケル・ジャクソン氏や、過剰摂取報道で名前があがったコートニー・ラブ氏(亡くなったのはヘロイン中毒の恋人カート・コバーンですが(T ^ T))などは80年代の亡霊ではないでしょうか。つまり規制がゆるいと濫用に必ずつながり、ドラッグカルチャーが若者にもてはやされる歴史を作ってしまうのだと思います。日本の今の危険ドラッグを含めた若者のサブカルチャーをみれば、簡単に規制を緩めることはアメリカの負の歴史をなぞってしまうことにもなると思います。

このトヨタの重役の方も日本の適正な医療をきちんと受ければ、オキシコンチンの代わりに、慢性疼痛に適応がある強力なオピオイド系の薬剤を処方してもらうことは可能だったはずです(欧米に完全に遅れているわけではありませんね(^-^))。日本の社会の中で、特に経済の中枢にいる企業の重役ポストを担う人物なら、自国のやり方をごり押しせず日本の流儀に従うのは礼儀だったのではないかと思います。

「法を犯す意図はなかった」と話しているそうですが、日本の流儀に従うつもりはなかったのだと思います。重役を担うような優秀な方なら強力なタイプのオピオイド系薬剤の輸入が(たとえ家族からの薬の仕送りだったとしても)日本では違法なことは、やはり認識していたのではないかとも思うのですが・・・。

日立薬剤師会広報企画委員会会議を開催します

日立薬剤師会の皆様、広報企画委員会の皆様へ

日立薬剤師会 広報企画委員会会議開催のお知らせ

 

梅雨に入りうっとうしい日々が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか、また日々の業務ご苦労さまです。

さて、昨年度より日立薬剤師会にて広報企画委員会が設けられました。今委員会は薬剤師が社会・市民の皆様に対して、その存在が必要なものとされるように活動することを目的としております。昨年度は「お薬講座」の開催、ホームページリニューアル、FMラジオ番組への講師派遣などの活動をしてまいりました。昨年度の課題・反省点を今年度の事業に生かすべく会議を開催いたします。また、今後の事業展開のために広く意見をいただきたいです。今委員会は薬剤師が日々の仕事をしていくための礎になる事業です。昨今、薬剤師と薬局の存在が問われる報道がされる時代でもあります。薬剤師として社会と共生していく為の答えを出していかなければなりません。会員の皆様、是非参加、ご協力をお願い致します。

今回委員会を開催するにあたり、委員として参加のお返事をいただいている方以外にも参加の検討をしていただければと存じます。人前で話すことは自分にプラスになる活動です。できるだけ多くの会員の方々に楽しんで参加していただきたいと思います。

日時:平成27年7月7日(火曜日)19時30分~

場所:NPO法人インパクト事務局内会議室(普通の民家風ですが看板は出ています)

日立市末広町2−1−31

議題:広報企画委員会概要、お薬講座、ラジオ講話、ホームページコンテンツ他

以上

委員会では会員の皆様に広く参加を呼びかけております。興味がおありの方は下記よりお問い合わせください。

 

心臓マッサージだけで回復裏付け 人工呼吸なくてもOK : 京都新聞

情報源: 心臓マッサージだけで回復裏付け 人工呼吸なくてもOK : 京都新聞

数年前に日立薬剤師会と日立消防署の主催で会員向けに心肺蘇生法の研修が行われ、私も受講しました。その当時から人工呼吸はできなくても、とくかく心臓マッサージは続けることが大切と学びました。

実は先日、心配蘇生法を実施する場面に出くわしました。

運動中の70代男性が目の前で突然昏倒しました、意識はなく脈が乱れ、手足が冷たくなっていく状態でした。周りの人たちと協力して、救急車の手配、AEDの調達、そして119番通報した際の消防の指示のもと心臓マッサージの実施となりました。

心臓マッサージは順調に行えたと思います。私は主に声かけを行いました。倒れた男性は苦しさからか舌を噛んだらしく、口の中には出血がみられました。

うーん、人工呼吸はできなかったです(ー ー;)

いや、できなかったのは私だけではないですし、誰かが誰かを責めることもなかったですけれども。顔を見合わせて心臓マッサージだけやろう、ということになりました。

ほどなくして近所の公民館からAEDが届きました。完全に心室細動が起きているようで、器械の診断ですぐに電気ショックを行う必要があるとのことで、そのまま実行しました。AEDの使用も手順通りに行うことで滞りなく実施することができたと思います。

その場にいて、倒れた男性を助けた方々も、心肺蘇生法の心得はある様子で、多分初めての経験であるだろうと思われる事態にも、皆迷いなく行動していました。

AEDを実施した後には、男性のおなかが動いたようで呼吸が戻ることが予兆できましたが、間もなく到着した救急隊に心臓マッサージを引き継ぎました。

その後、倒れた男性のお仲間から、男性は救急車内で意識を回復されたと知らされて胸をなでおろした次第でした。

 

心肺蘇生法ですが、やはり研修を受けておくことが役に立つと思います。何も知らなければ多くのことが後手に回ります。人工呼吸の有無も、できなければ心臓マッサージだけ続けることで蘇生の可能性が高まることを知識として教えてもらっていたので、最終的には割り切ることができました。

日立薬剤師会で再度研修会ができればよいですね(^ ^)

 

人工呼吸ですが、上の記事ではやらなくても良いことが証明されたようなことが書いてあり、それはそれで自分を納得させるのに良い情報なのですが、やっぱり咄嗟に人工呼吸をできなかったことは悔恨ではあります。結果はオーライでしたが、人工呼吸をしたほうが蘇生する可能性が高かったかもしれないし、その後治療することになる男性のダメージを軽くすることになったかもしれないとも考えられます。

後日、知人の消防士さんに事の顛末を話したところ、自分がいたら絶対に人工呼吸をおこなったと言われました。いろいろな考え方がありますが、消防としては心臓マッサージと人工呼吸はセットで行うことに蘇生法は統一されているようですし、経験に基づく蘇生術の確立もあるようです。その方は仕事柄かもしれませんが、人工呼吸用の携帯用マウスピース(?)を携帯のストラップにつけていました。しかし結局は、感染予防ができなければ人工呼吸をしないことは責められることではないのは間違いありません。

 

大地震のときも感じましたが、備えは大切だとつくづく思います。消防士さんのように、いつか何処かで誰かを助けられるように居たいと思います。それは無関心や無知でいるよりも、心の平静を保てる行為であるのではないかと思います。

 

 

 

 

健康・医療ワーキング・グループ 議事次第 – 内閣府

情報源: 健康・医療ワーキング・グループ 議事次第 – 内閣府

遅れましたが、2015年5月21日に内閣府が設置した規制改革会議の健康・医療ワーキンググループが開催されました。第36回となる今回は、「医薬分業推進の下での規制の見直し」などについて議論が交わされました。

理想の医薬分業を推進するために、抜本的な調剤報酬の見直しが行われることは間違いありません。

地域医療の一員として活躍することは、私たち薬剤師にとって望むところなはずです。ここは迷わず「前へ」進みましょう!

第153回県北薬剤師勉強会

「『COPD患者の未来は吸入指導で決まる!』~COPD治療の主役は薬剤師」

このタイトルなので襟を正して話を聞かねばなりません。

講師は筑波大学附属病院、ひたちなか総合病院の寺本信嗣先生でした。呼吸器内科の先生で、COPDの認知度を上げるための啓蒙活動をされており、一般書、専門書等を上梓して活躍されております。

肺と呼吸に不安があるときに読む本 (早わかり健康ガイド

COPDの病診連携と在宅管理 (Monthly Book Medical Rehabilitation(メディカルリハビリテーション))

まず、COPD(慢性閉塞性肺疾患) は年々増え続けており、しかも2020年には日本の死亡原因ランキングの第3位になる勢いだそうです。また、現在治療されている患者は50万人ほどです が、推定患者数は700万人だそうです。未治療になってしまう理由は、症状が重症化しないと受診行動にうつらないこと(病気の認知度がひくすぎる)と、他 に慢性疾患がある場合、例えば循環器科で治療を受けている場合に発見が遅れることがあるそうです。そしてアメリカとの比較では禁煙運動に数十年の遅れがあ るので、煙草の消費量が完全に下降を初めていないそうです。COPD患者数は日本では今後30年増え続けて、欧米の患者数が下降する時代も、日本では深刻 な問題が続くらしいです。アジアでは中国からの大気汚染の影響も大きいそうです。

そこで、COPDの治療をどうにかしなくてはならないので すが、先生は長時間作用性抗コリン薬(LAMA)を上手に使って生活の質を改善する、悪くしないことだとおっしゃいました。(薬物療法とはべつに治療の当 初は1に禁煙、2に禁煙、3、4も禁煙とのことでした、吸入薬治療の実践としてはLAMAと)

COPDは、息は吸えるが、吐けない病気で す。放置すると「眠れない」「お風呂がつらい」「食事がまずい」「トイレがつらい」ことがあらわれるそうです。このような症状をなくすことが治療の目標と もおっしゃっていました。息切れも含めて、COPDを自覚することは難しく(加齢や他の病気を考えてしまうこともあるそうです)、治療が遅れがちになりま す。今は優れた治療薬があるのできちんと吸入できれば症状を改善することができます。でもそうは問屋がおろさないとのことです。

吸入薬は作 用する気道の細胞まで運ばれないと意味がありません。そしてCOPDは気管支喘息よりも気道の病変が末梢に起こる傾向があるそうです。そのため吸入をきち んとしたとしてもすべての患部に薬が届くことはあり得ないような状態のなかで、効果を上げるためには、やはり薬剤師の魂を込めた!仕事が必要とのことで す。

信じられない吸入薬の誤用の例をお話しされました。「胸に近い所につけたほうが良いと思ってと、エアロゾルを胸に直接噴霧」「吸入用ブリスターのカプセルを内服」など本当にあった話だそうです。

吸入デバイスや、ドライパウダー製剤とエアロゾル製剤の違いがありますが、ようはきちんと効果をあげるために薬が気道病変部へ届くことが大切です。(スピリーバについてはハンディヘラーとレスピマットがありますが、先生は断然レスピマット1択とのことです)

坑コリン製剤としての禁忌についても話されていました。吸入製剤は局所作用なので、通常問題ない。全身作用があったとしても製剤の用量が少ないものばかりなので心配しすぎないほうがよいとのことです。疑義照会の電話がかかってくると困ってしまうのでしょうね(⌒-⌒; )。新薬の「エクリラ」は作用時間が短いので尿閉をもしも起こしてしまう患者にも使いやすいのではとのことでした。

COPD患者への薬剤師の役割は大きいと思いました。在宅医療との関わりも合わせると、想定しているよりもできることは多いのかもしれません。

そ して、薬剤の進歩によるあらたな問題もお話しされました。LAMA、LABA、とステロイド、また配合剤の登場により、重複投与が起こりやすくなっている そうです。COPDは生活習慣病の一つとして内科治療が行われる現状と未来がありますから、専門医でなくても当然診療を行います。吸入剤の併用は当然ある わけで、薬剤師は重複投与を防がなければなりません。

話のまとめでは、COPDは治せば高齢者は元気になります。吸入薬を本物の治療薬に変えられるのは「優秀で親切な薬剤師の先生」です。COPD治療に魂をいれましょう!(しっかりやってくれ)とのことでした。

数年前にフランスの凱旋門賞という世界一の競馬競技会で、ディープインパクトがドーピング(禁止薬物使用により)で失格になったことについて、雑談で解説されていたことが、個人的に参考になりました。馬はCOPDになるそうです(O_O)

健康・医療ワーキング・グループ 議事次第 – 内閣府

情報源: 健康・医療ワーキング・グループ 議事次第 – 内閣府

「医薬分業における規制の見直し」から「医薬分業推進の下での規制の見直し」に議題が変わっています。
ポイントはコストに見合うサービス・薬局薬剤師機能の有効利用なのかなと思います。いずれにせよ、薬剤師の職能と薬局の在り方に変化を求められていることは間違いありません。
自分の職場や業務にとらわれた対応をしていくのではなく、大局を観た薬剤師としての向上をしていく時代だと思います。そのためにできることを考えて実行しましょう!