原子力災害対策における安定ヨウ素剤事前配布への協力

9月8日に日立薬剤師会の理事会が開かれました。議題のひとつに茨城県からの依頼で、原子力発電所の5km範囲の住民に安定ヨウ素剤を事前配布するうえで、日立市の一部の住民も対象になりますので、日立薬剤師会にも協力して欲しい旨の依頼通知が届いている件がありました。この事業の計画は随分前からあり、日立保健所で医療従事者を対象にした説明会も行われていて、薬剤師も参加しております。ですから協力することは決まっております。

問題は想定よりも必要な薬剤師の数が多いことでした。日立保健所の説明会への薬剤師の参加も多くはなかったので、どうやって人を集めるかを理事会で議論しました。

ここはひとつ、薬剤師皆で協力しなければならないと思います。皆様、是非とも参加協力のほどよろしくお願いいたしますm(_ _)m

詳細は日立薬剤師会のホームページの「会員のページ」に掲載しましたので、必ず目を通してください。日程はすべて日曜日で、協力謝金とお弁当もでますのでボランティアの依頼ではありません。地元地域の事業は地元の人間が引き受けましょう!

ご質問などあれば日立薬剤師会ホームページ「会員のページ」から、また会員以外の方も日立薬剤師会ホームページのトップページにあります「お問い合わせフォーム」をご利用になりお知らせくださいませ。

平成27年度大規模災害事故対策訓練が実施されました

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平成27年9月5日(土曜日)開催。

日立市地域医療協議会が主催の災害事故対策訓練です。日立薬剤師会も参加させていただきました。詳細はホームページに掲載予定です。

事故・災害に対して日頃から備えることは医療従事者にとって必要なことだと感じました。DMAT医療チームは普段の業務の他に訓練も継続していることを考えると本当に頭が下がります。もちろん、消防・警察の方々の防災・人命救助の礎となる業務・訓練の尊さは言わずもがなです。日立薬剤師会は今回はトリアージ訓練から少しはずれて、心肺蘇生法の訓練を受けさせていただきました。この知識があるのとないのとでは、いざという時の行動に雲泥の差が出ます。今後も薬剤師会の企画で講習会の開催を行いたいと強く思いました。

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日立薬剤師会会長も来賓の立場として、しっかり活躍されていました。薬剤師会が地域に対してしっかり役割を果たすことはとても大切だと思います。会長、ご苦労様でした、今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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三和堂薬局の菊池先生は地域医療協議会でもお世話になっております。今後とも日立薬剤師会のために活躍してください!

かかりつけ薬局に求められる機能とは?-厚労省が検討会で論点提示 (医療介護CBニュース) – Yahoo!ニュース

情報源: かかりつけ薬局に求められる機能とは?-厚労省が検討会で論点提示 (医療介護CBニュース) – Yahoo!ニュース

ヤフーニュースはログインしなくてもみることができるのでリンクしましたが、他のサイトの記事よりも読みやすくもあります(⌒-⌒; )

下手な記事を読んでも内容がよく掴めないので議事録の掲載を待ちたいところです。24時間対応については薬剤師会の代表から現状を示して現実的な意見も出されたようですし、多職種連携における薬剤師会の役割や、「健康づくり支援薬局(仮称)」の改築・新築時における不動産取得税の軽減措置などについても議論されたようです。

日本薬剤師会が職能団体として存在を示していくことできていれば、地域薬剤師会の地道な活動も報われるかなぁ〜なんて思います(^ ^)

第156回県北薬剤師勉強会

平成27年8月7日金曜日に開催されました。

「心房細動と抗凝固療法-臨床薬理学的視点から考える-」東京女子医科大学病院 循環器内科 准教授 志賀剛先生のご講演です。

循環器内科の先生から抗凝固療法の最新のお話が聞けました。心房細動患者の合併症である脳卒中を防ぐために臨床薬理学的視点からみた考察です。

非弁膜症性心房細動と血栓塞栓症の関係、抗凝固療法と大出血リスクの問題で、新しい薬NOACを用いた時に実臨床では十分なデータがなく、ケースバイケースで診療が行われているという枕詞から始まりました。つまりは、検証的試験で得られたデータは実臨床では当てはまることはなく、リアルワールド(個別化治療)を求めていくというのです。

まず、心原性脳梗塞はアテローム血栓性梗塞とラクナ梗塞とともに脳梗塞の3分の1を占める疾患ですが、他の脳梗塞に比べて重症になる確率が高く罹患した患者の60%は元の生活に戻れないそうです(他の脳梗塞は同じ重症度では18〜25%とのことです)。だから抗凝固療法は重要になるわけですが、抗凝固療法はどういった患者に必要かというお話がありました。

志賀先生は主にCHADS2スコアという評価方法点数化して抗凝固療法が必要な患者を洗い出します。大雑把にいうと、○心不全があるか、○高血圧があるか、○年齢が75歳以上か、○糖尿病はあるか、○脳卒中の既往があるか(各1点ではなかったです^^;)、という項目を点数化して患者に当てはめるのです。CHADS2スコアが2点以上の患者で抗凝固療法が有用という評価になるそうです。このスコアが2点とはどういうことかというと年率で100人に4人に脳梗塞が起こるということで発症年率が4%ということだそうです。つまりCHADS2スコアが2点では確実に脳梗塞になる人が4%いるわけで治療の有用性があると判断されるわけですが、治療をしなくても脳梗塞にならない確率の方が高いわけです(これ、間違った理解をすると怠薬や自己判断の服用中止につながりそうです、ほっておけば病気になる可能性はどんどん高くなるのですから服用しなくていけません)。だから大出血などの致命的なリスクがあってはならないというわけです。

CHADS2スコアの評価項目にあるリスクにより脳梗塞の発症率が高くなるのは、動脈硬化が結果として起きることが大きな要因で、血小板が活性化し てなおかつフィブリンと いう凝固タンパクが増えます、そして心房細動がおこり血栓ができてしまうと、河川の淵で水流が滞り土砂がたまるように、河川の流れに例えられるような形状の血管内では、血流の淵ができて土砂の堆積のように血栓がどんどんたまるのだそうで す。

他にもCHA2DS2-VASCスコアというCHADS2スコアよりもさらに細分化された脳卒中発症リスクの計算方法も紹介されましたが、大雑把にいうと(-。-;実際には病歴がない人も含めてCHADS2スコアが2点に満たない人がピラミッドの階層の底になるわけで、数が1番多いわけです、数が多いので脳卒中の発症する患者の数も相対的に多くなるということで、そのスコアの低い人たちの中で発症する患者を評価して治療しようということです。それでそのCHA2DS2-VASCスコアで2点と評価された人が抗凝固療法が有用になるのですが、このスコアの2点というは先の発症年率でいうと2.2%ということですから、やっぱり副作用のない治療でなければならないわけです。いかにデメリットを減らすか、出血のリスクを減らさなければ抗凝固療法は成り立たないわけです。

抗凝固療法と大出血リスクにおいて、ワーファリンの治療域を見た時に欧米ではPTINRが3.0までが基準ですが、日本人では2.6を越えると出血が多くなるのだそうです、つまり日本人は欧米人に比べて脳卒中のリスクが高いわけです。それで日本のワーファリンのガイドラインではPTINRは1.5〜2.5とされているわけです。しかし志賀先生はガイドラインを超えて個別に数値を判断する必要もあるのではないかともお話されました。先のCHA2DS2-VASCスコアが2点の治療対象者にもしワーファリンを使うのであれば、CHADS2スコアが高い治療対象者と同じガイドラインで判断すべきではないのではないかという様なことでした。リアルワールドの話につながりますね。また、HAS-BLEDスコアという抗凝固療法を行う心房細動患者における、重大な出血事象の発現リスクを評価する方法もご紹介いただきました。そして印象に残ったのは抗血小板剤の併用が出血リスクをかなりあげるということでした。

NOACsのガイドラインについてのお話がありました、治験(RCT)で得れたデータをもとにしたガイドラインはコンプライアンスが良好な状況下でしかないわけで、十分なスクリーニングもされていない云々・・・^^;。なので、ガイドライン通りのままではリアルワールドの臨床は行えないとのことでした。それではいかに安全でかつ有効にNOACSを使うかというと、臨床薬理学的視点が必要になるのだそうです。

ワーファリンとNOACsの薬物動態学的特徴が個別化治療をするうえでの判断に必要となるものです。例えば腎障害がある患者ではワーファリンよりNOACsの方が影響は大きいわけです。併用薬の影響も受けます、NOACsも数は今の所限られますが重大な相互作用を起こす薬剤があります。血中濃度が高くなると大出血のリスクが高くなるのはどちらも同じですが、ワーファリンはPTINRを測定することで凝固能を定量できるという安心感があるようです。NOACsは併用で作用が増強される薬剤もさることながら、リファンピシンの様に併用で効果がなくなる薬剤がある方が大きな問題であるとのことです。ワーファリンであれば相互作用がある薬剤と併用しなくてはならない時にPTINRをみながら薬剤の量を調整して投与することが可能ですが、NOACsの場合、相互作用を定量評価が全くできないのでどうなるかわからないのだそうです。

「薬はのまないと効かない」という格言(?)を引き合いに、ワーファリンを新規導入した心房細動患者の4分の1の方が1年以内に治療をやめてしまうことをからめて、服用遵守に対する用語、コンプライアンスからアドヒアランスへの概念の変化についてもお話いただきました。ワーファリンをやめてしまう患者は、若く、CHADS2スコアが低いかたで(病気の自覚が足りない人なのかな^^;)INRのコントロールも不良でコンプライアンスが低いとのことです。コンプライアンスとは医療では上から目線の行為ですが、ならばコンプライアンスが悪くても、患者主体の概念を持つアドヒアランスはどうなのか?とうことでした。

そしてワーファリンと作用が同等以上で副作用が少ないと検証されたNOACにアドヒラランスが向上することが期待されたのです・・・・

しかし結局の話、ワーファリンと比べてNOACsはアドヒアランスの向上に寄与しなかったそうです。志賀先生の病院ではNOACsを服用した患者の方が皮下出血や胃腸障害(むかつきなど)を起こすことが多く、本来服用中止になり得ない事象が理由で患者は治療をやめてしまうのだそうです(なぜ有害事象がワーファリンに比べてNOACsの方が気になる結果に至るのかはよく理解できませんでしたが、服用当初の服薬指導というか、変な言い方だけれど治療開始時の気軽さみたいなものが関係あるのかもしれないとは思いました。薬剤師が果たす役割が大きいのではないでしょうか)。途中で服用をやめてしまうと、服用を継続しているよりも6〜25倍も血管イベントが増えるそうですので大問題です、これはワーファリンでもNOACsでも同じリスクです。

抗凝固療法をやめてしまった人の8割は「自分は脳梗塞は起こさない」と思っているそうです。そして同じく5割の人は薬に対する不満(飲みにくい、副作用がある)を持っているそうです。患者の立場に立ってみると、どんな薬が良いか。1日1回服用が良い、副作用が少ない(胃のむかつきが起きない)などが求められるとのことです。

元々ワルファリンカリウムの大出血のリスクを回避できるNOACsだったはずですが、抗血小板剤の併用時には大きな出血のリスクもあるそうです。相互作用がある薬剤の併用があったとしても作用の評価ができるワーファリンの方が信頼して投与できる場面もあるとのことです。臨床のリアルワールドでは杓子定規なガイドラインは通用しない、患者個別に治療、投薬の選択をしていかなければならないということでした。患者の年齢、高齢患者の性別、脳卒中の既往、腎障害、抗血小板剤の併用、相互作用、ワーファリンとPTINR、大出血のリスク、薬物動態から考えられる問題(バイオアベイラビリティ、腎排泄率、代謝など)、そして患者さんの気持ち。

今講演の結論にもなっていますが、患者さん一人一人にとってBestな薬剤が選択されるためにアドヒアランスの問題を解決しなくてはなりません。それは薬剤師が役割を果たすときだとも思います。

公認スポーツファーマシスト認定制度 基礎講習会

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東京基礎講習会に行ってきました。

実はスポーツファーマシストの基礎講習会に出るのは2回目です(⌒-⌒; ) 基礎講習会は資格取得をする場合に1回だけ受ければよいので、2回受けることは普通ありません。講師と講習の内容はほぼ同じでした。前回は3年ほど前ですが、講習だけは受講を続けて勉強しましたが、認定を受けることはしませんでした。

あくまでも個人的な考えですが(^^;;

スポーツファーマシストなんて横文字の肩書きをつけていますが、どうなんでしょう?。ドーピングと禁止薬物については、薬剤師として使命感を感じれば自然な知識として身につくことで、薬の情報提供をおこなうのに、認定された別の資格が必要なはずはありません。要は、スポーツ選手が意図しないうっかりドーピングをさけるために、薬やサプリメントの成分に、ドーピング検査にて陽性になる物質が含まれるか否かの情報提供をするのです、調べても判断できる材料がなければ、最終的に判断できないと伝えればよいのですし、情報提供時に誤解を与えないようなコミュニケーションスキルが必要なことや、正確な情報をアップデートすることは薬剤師の業務そのものです。テキストは日本薬剤師会が作成して毎年会員に配布しています。スポーツファーマシストには、ドーピング検査を実施したり、薬の治療使用特例に関する申請書を作成したりするような権限などは全くありません。普段ドーピング検査対象のアスリートにもなかなか会わないとも思いますが(⌒-⌒; )

それでは何故、しつこく講習を受けたかというと、アンチドーピング活動には賛成なのです。アンチドーピングの啓蒙活動には協力したいですし、自分の所属する競技団体なら尚更、是非協力したいと考えています。悪意がない結果的に陥るうっかりドーピングから、選手は守られなければなりません(普段周囲にそんなアスリートはいないかもしれませんが、将来の大器はいるかもしれません^ ^)。また地域で啓蒙活動が必要だったり、学校教育の一環で必要であれば、地元の人間が対応すべきではないかと思います。そのために「スポーツファーマシスト」という認定が必要なのであれば認定を受けておくべきだろうということです、広報企画委員会もやっていますし。

2019年には茨城国体が開催されます。国体はドーピング検査の対象になる大会です。日立市も国体の会場になりますから、対応に困ることがないようにしておかなくてはならないとも思います。スポーツファーマシストも少しは市内の会員の中で増えていただけたら良いかなと思います。

うっかりドーピングを防ぐために草の根の活動というか、気軽に相談できる環境づくりのためにスポーツファーマシストは存在するのでしょう。薬局ならどこでも誰でも気軽にアンチドーピングについて相談できる環境が理想なのです、スポーツの立場からすればですが。

私は認定を受ける予定です、 今回はたぶん。気持ちを維持できれば・・・、JADAに腹をたてるようなことがなければ・・・・( ;´Д`)

 

第12回 日立三師会合同研究会特別講演会

平成27年7月17日午後6時45分開会 ホテル天地閣にて第12回日立三師会合同研究会講演会が開催されました。

まず話題として「認知症について」を日立総合病院の副院長藤田恒夫先生からお話いただきました。

あらためて世界的に高齢化社会に向かうなかで、増え続ける認知症という病気と医療・介護は戦わなければならない、今後認知症や認知症合併症による死亡率があがる未来において為すべきことは何か、というお話でした。世界的に4秒に一人の速さで認知症患者が増えているそうです、現在日本でも軽度認知障害を含めると1000万人弱の認知症患者がいるそうです。

認知症の早期発見、早期治療をしましょうと言われていますが、現在は根本的な治療法がない状況で、早期発見は早期絶望につながってしまうのではないか、とのことです。脳機能の画像診断などが進歩して早期診断は正確になってきているので、根本的な治療のためにはより早く正確な診断とより早い介入が必要だそうです。

薬剤の使用はどれも対症療法にしか過ぎないというお話が印象に残りました。藤田先生がよく使われる薬は、ドネペジル、レミニール、リバスタッチ、メマリー、抑肝散、リスパダールなどで、認知症の中核症状・周辺症状にもある程度効果が期待できますが、いずれの薬も副作用が強く出たら中止すべきとのことです。リハビリ・介護を含めた包括ケアが大切で必要なことだそうです。

科学の話題も有りました! 医療・介護の近代技術はSF映画のような領域に差し掛かり、サイバーダイン社のロボットスーツを装着すれば運動機能障害をもつ患者さんも歩くことができる時代が来るそうです。このロボットスーツは生体電位信号で動くので、脊椎が切れている人では動かないそうです。でも、ブレインマシンインターフェイスというテクノロジーが発達してきて、これは頭にセットして念じると、その念がどういう作用に変わるのかは理解できませんでしたが(ー ー;) 指を動かせるところまで研究が進んでいるそうです。すごいですね(O_O) ところが、このような素晴らしデバイスがあったとしても認知症の患者さんの助けにはならないそうです´д` ; いわゆる人間の活動を司る高次機能が障害をうけていると、やるべきことを念じることができないわけです。神経科学のさらなる発展に期待したいということでした!

まとめとしては、近い将来に認知症や認知症合併症のための死亡率が上昇するにあたり、終末期医療のあり方を考えて、EOLC(End of Life Care)チームの育成をしていかなればならないとのことです。包括ケアのチームでは薬剤師も是非活躍したいと思います!

 

そして特別公演「認知症の食べることの問題」を菊谷武先生(日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長)からお話いただきました。

菊谷先生のクリニック(クリニックといっても歯科医は20人いて、1日100人以上の患者さんを診て、月に一人で150人の在宅診療をおこなっているそうです!)では主に摂食と嚥下についての治療に重きをおいて行っているそうです。なにしろ在宅患者はほぼ認知症だそうです。

認知症と診断を受けたら、まず歯科に紹介すること!というお話がありました。認知症の方は歯磨きという複雑なプロセスを実行することが困難になること、認知症の進行とともに口を開けることができなくなることなどから、口腔内環境は悪化の道をたどり、結果歯の脱落なども起こして咀嚼嚥下の障害につながってしまいます。だから、認知症と診断されたら、まず歯科にかかり、突貫でもよいので口内の整備をしておく必要があるそうです。なるほど!

認知症患者の食に関する問題点は、口を開かなくなる、いつまでも噛んでいる、スプーンを噛む、食べようとしない、食べ物を口に溜め込む、ことがあるそうです。これは先行期障害にもとづく摂食行為の異常がみとめられること、緩徐に進行する運動機能の障害が影響すること、前頭葉障害による原始反射が再現することなどが原因というか特徴だそうです。(原始反射とは、赤ちゃんがおっぱいや指を反射的に吸ったり、顎を動かしてもぐもぐ食べることを自然に行うことだそうで、認知症により再現するそうです。)認知症患者の自発的な食事の訓練は難しく、環境改善的アプローチで対応することが主体だそうです。

また、記憶障害に伴う食事の問題点もあります。食べたことを忘れる、次の食事がいつかわからないこと。意味記憶障害により食具の使用法がわからなくなりスプーンや箸が使えない、または逆に、手続き記憶の保持によって箸を上手に使うことだけができる(車の運転にも同じ現象がみられることがあります(O_O))、箸を使えても咀嚼や嚥下ができずに誤嚥や窒息の事故につながることもあるそうです。

見当識障害があると、食べ物を食べ物とわからなかったり、ぬいぐるみを食べてしまうなどの異食がおこることがあるそうです。また実行機能障害という、目的を持った一連の行動ができない障害があると(食べ物を口に入れて噛んで、移動させて、すり潰して、集めてまとめて飲み込むことができない)、嚥下機能は年齢相応にある人でも、食事の順序だてができずに早食い(尋常じゃない早さ!)、またはつめ込みが起こり肺炎や窒息などの摂食事故につながるそうです。日本そば(そば、薬味、つゆ、わさび、海苔などが何を意味するのかわからず、もちろん作法などわかるすべもない、食べ物にさえ見えていないこともあるそうです)を例にお話をされました。

認知症患者の食事をどうすればよいか。口内の環境がよくないまま推移すれば、やはり固い食べ物を口に入れるのは危険だそうです。でも完全な介助をするまえにできることはあるそうです。認知症患者は食事の手順がわからず、食事がはじめられない状態になっています。食事の手順で行動提示を行うそうです。方法は同じ動作をして見せることだそうです、また最初の行動のうながしが大切で、スプーンをもつ手を介助する方が一緒にもって、手を持ったまま食事を口に運ぶ動作を続けることも効果があるそうです。

それから情報過多がいけないそうで、視野に入る情報・耳に入る情報を制限することは必要だそうです、テレビや猥雑な環境に注意です。情報を制限してシンプルにすること、それは食事を一度に出さずに順にお膳することで目の前の菜をシンプルに食べることなどが効果的だそうです。食器もシンプルなものがよく、陶食器などの柄や模様が食べもに見えるそうです、空のお茶碗をいつまでも持って、箸で絵柄を掻いている動画を観ました。白い茶碗に入った白いご飯よりも漆椀にはいった白いご飯の方が食べやすいそうです(写真でもコントラストがくっきりしてました)。

また、お茶碗やお皿がたくさんあるお膳よりもどんぶりものの方が食べやすい傾向は間違いなくあるそうです(写真では色々なおかずをご飯にのせていました、ロコモコ丼みたいなものもよいのかも)。そして、食具の使用が難しいのですから、手に持って食べられるものは嚥下の負担にならないものなら、食べられるものが多いそうです、サンドウィッチ、おにぎり、ちくわなど。

なにしろ食べもに「力」があることが大切だそうです。味はメリハリがありしっかりパンチがある方が好まれます。温度も暖かいか冷たいかはっきりしていた方がよいそうです。見た目もパンチ力が必要でハッキリ食器と区別がつくものがよいです。

そうするとカレーライスがベストオブ献立になるそうです!完食率が高いそうです!私も歳をとりすぎても食べたい食べ物のひとつなのでよかった( ^ω^ )

もうひとつ認知症の食の問題では、特にレビー小体型認知症で多いそうですが、幻視による摂食障害があるそうです。ご飯のごま塩が蟻に見えたり、蛇が食器の間をうねっていたりするそうです。

摂食・嚥下で一番の問題は不慮の事故です。不慮の窒息事故で亡くなる方は不慮の交通事故で亡くなる方の倍になるそうです。主に介護老人施設でおこる窒息事故で、どのような人が事故に至るかというと、臼歯部咬合がない、認知機能障害がある、そしてもう一つの条件として食事が自立していることがあるそうです。食事の自立で大切なことは、自分でどのくらい食べたのか?ではなく、自分でどうたべたのか?だそうです! 歯がなくて咀嚼ができないとそのまま飲み込みますので窒息につながるそうです。

咀嚼力=咬合支持×口の力強さ・巧みな動き×認知機能

私たち薬剤師も、特に在宅訪問の現場で患者さんの体調チェックの一環として口内環境チェックや食事の取り方の確認など、できることはありそうです。とてもすばらしい講演を拝聴できてよかったです。

講演会の後に懇親会がありましたが、我が薬剤師会の会長と、医師会会長と歯科医師会会長が次回11月の三師会合同研究会講演会について何やら相談していたようです(⌒-⌒; )

がんばりましょう!

平成27年度第1期薬学生課題発表会が行われました

平成27年度薬学生課題発表会が行われました。

日立地区では今期3名の学生さんが実務実習を行っています。

5月11日から11週間の長丁場の実習です。あと1週間位残っています。今は薬剤師になるためには6年間学校に通わなければなりません。今回の実習も必須項目となっています。今回の実習が終わってからも病院で11週間の実習が待っています。自分の時代からするととても大変だなぁとつくづく考えてしまいます。

今日は実習中に感じた事2015-07-16 20.43.53や成果等をパワーポイントにまとめて発表をしてもらいました。

今回は健康食品について、小児の漢方の服薬について、調剤報酬についての発表がありました。実習を行っている薬局の特徴が出ていて良かったのではないかと思いました。フロアからも質問が数多く出て、活発な発表会が行われたと思います。

これから将来を担う薬剤師が誕生する為に地区の薬剤師が協力していかなければならないと改めて感じました。そして学生さんには素晴らしい薬剤師になって日立に帰ってきてくれる事を期待したいと思います。

健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会 |厚生労働省

情報源: 健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会 |厚生労働省

厚労省が国の方針として薬局に求めるものは、あるいは社会が薬局に求めるものと合致しているのかもしれません。しかし、ただ言われるままにやることが正解とも思えません。それでも停滞や後退をしていてはいけないことは間違いありません。健康情報拠点薬局を必ずしも目標とはしないとしても、前に進むために考えて行動することは必要です。地域の薬剤師会は、薬局の未来像と地域社会に貢献するために活動しています、ご理解ご協力を宜しくお願い申し上げますm(_ _)m

今年度最初の広報企画委員会を開催しました

参加した委員の皆様、昨日は遅くまでご苦労様でした。また、様々意見をいただきありがとうございますm(_ _)m

今年度の活動の方向性がみえたので良かったと思います、今後とも宜しくお願いいたします。会議の中で具体案が得られたことはすぐに実行しようと思いますのでご協力をお願いいたしますm(_ _)m

会議報告書は以下のようになります、様式は会員のページにありますのでご利用ください。

1 会議等名称 広報企画委員会
2. 日時 2015年 7月 7日 19:30~ 21:10
3. 会場 NPO法人インパクト 会議室
4. 主催者名 大曽根洋子
5. 主な出席者 大曽根洋子、鈴木勝俊、安部精一、小室晶子、阿内一彦
岩崎健一、菊池孝徳、小橋川祥、戸倉憲子、石川恵
影山忠雄、髙橋晃太郎
6. 議題等
1) 広報企画委員会概要
2) お薬出張講座
3) ラジオ出演講師
4) ホームページコンテンツの充実
5) その他
7. 内容・結果等
●広報企画員会は薬剤師と薬局を社会と市民にアピールするための企画・活動をする。
●委員会運営にあたり新たな人材の発掘育成も目的とする。
●今年度もお薬出張講座は順調に開催できている。
●課題は講師というより、講義内容について日立薬剤師会として見識をもった内容とすること。
●新たに講師をする方は他の講師の講座を積極的に膨張することが勉強になる。
●ラジオについてはテーマを決めて講師を選ぶのがよいのでは。アンチドーピングなど。
●ホームページコンテンツの充実。各会員のブログへの投稿に期待。
●コンテンツ:地域医療・在宅医療のコンテンツの充実。「お薬のはなし」の発展。
●キッズ職業体験については実施は未定だが、依頼への対応はして参加する。
●次回委員会までは、各テーマに向けて個別に相談しながら事業をすすめる。
8. 費用請求額 (請求書または領収書添付の通り)
出席(活動)時の肩書 委員
報 告 者 氏 名 髙橋晃太郎
会 長 確 認 印 鈴 木 勝 俊

薬物乱用防止教室で講演をして来ました。

7月3日、市内の小学校で薬物乱用防止教室で講演をしてきました。

この小学校の学校薬剤師が時間の関係で講義できないというのでピンチヒッターとして行ってきました。

当日は小学校5年生約60名とその保護者の方々約20名が話を聞いてくれました。小学校の児童の前で話をするのでなるべく分かりやすい言葉を選んで話をしました。子供たちは約50分間真剣に話を聞いてくれました。クイズ大会でもきちっと手を挙げてくれました。大人にはあまり見られない態度に少し感動すら感じました。

覚せい剤や麻薬など、最初の1回をしない事が非常に大事だし、今のうちに薬物の怖さや誘惑を断る術を知っておくことがこれからの長い人生、輝かしい未来を守っていくことにつながるのではないだろうか。

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